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【メタバースデザイン】SFプロトタイピングによるサービス創発方法

メタバースが大きく花開きそうな2022年、メタバース関連のサービス、ソフト、ハードのビジネス、マーケティングを考えている企業も多いと思います。IT企業、AI企業だけでなく、事業企業もメタバース上でイノベーションを起こしたいと考えているのではないでしょうか。少し未来にメタバースでのサービスを生み出すためのサービスデザイン、メタバースデザインについて触れたいと思います。
今回は特に、アイデア発想、検討の有効な方法として、「SFプロトタイピング」について語ります。

■メタバースデザインでのアイデア創発

メタバースにおけるサービスでも、ベースは一般的なサービスデザインとなるでしょう。サービスデザインの中心は、デジタル思考でのサービス創発です。ビジネスモデルとして、お金を生み出す方法は今後の環境に依存する所も多いが、まずはサービスを考えてみよう。
デジタル思考では、顧客の気持ち・ペインに共感し、解決すべき課題を定義します。それから、課題を解決するためのアイデアを発想します。アイデア発想の際には、ペルソナやカスタマージャーニーマップを作って、それをインプットにワークショップでアイデアを検討する方法があります。

しかし、メタバースのサービスにおいては、まだほぼ存在しない未来の世界であり、アイデア発想するためのイメージが掴みにくいという課題がある。そのような状態では、既存の枠を超えた斬新な発想が出なかったり、方向性の定まらない議論しかできず噛み合わないといった事になり得ます。

そこで、未来のサービスを発想するための有効な方法として「SFプロトタイピング」を推進します。

■SFプロトタイピングとは?

SFプロトタイピングは、SF作品を用いて、未来像を想像して描き、未来のビジネス・サービス・ビジョン等を創出する方法です。
古くはインテルが社内での未来予測に用いたり、最近ではソニー、日産、清水建設、JAXAらが取り組んでいたりします。
【参考】
News Picks 「SFが未来を作る」
ITmedia NEWS 「SFで"未来のイノベーション"を起こせ!」

具体的には、SF小説を実際に作り、その未来像を実現するためのビジネス、サービスをデザインするという手法が取られます。
ユニークなのは、実際にサービスアイデアを考える人が自身でSF小説を考えることでしょう。このワークショップにより未来像を語りながらSFを作る事は、共創感覚を得るという効果もあります。

上記事例企業のように大々的に実施する場合は、プロのSF作家・SFプロトタイパーを呼んで、SF小説を作り上げます。もし、手軽に始めるなら、ビジネスアイデアを考えるメンバーの中でも、「昔小説家になりたかった」というような人がいれば、その方に書いてもらえばよいでしょう。目的は、売れるSF小説を書くことでなく、みんなが実現させたい未来像を描くことですから。

■SFプロトタイピングのためのSF小説を書くには?

プロトタイピングなので、作りながらみんなのアイデアを聞き、改善しながら書き上げればよいです。何より、楽しんでやる事か大切でしょう。
しかし、SF小説はビジネス文章とは違います。プロのSFプロトタイパーでない方のために、簡単な書き方のポイントを記します。

ビジネス文書は結論から書けと言いますが、SF小説でいきなり結論(オチ)を書かれても何もおもしろくありません。基本は「起承転結」です。
しかし、目的はビジネスを生み出す事なので、ビジネス文書の要素として「空雨傘」を考えて「起承転結」と紐づけると良いでしょう。

●起 : 空

物語の最初は、空、つまり未来の状況を書きましょう。何年後の未来で、世界はどうなっているのか。主人公は何をしているのかを説明しましょう。

●承 : 雨

未来の状況が描けたら、傘、その中での未来の課題を書きましょう。未来の世界でどんな課題があるのか。もちろん次のビジネス・サービスに繋がる課題となりますので、ワークショップ等で課題を検討、定義しながら、書く内容は絞り込むと良いでしょう。

●転 : 傘

未来の課題に対して、傘、解決された世界を書きましょう。この未来の課題が解決された世界こそが、ビジネス・サービスの目指す未来像となります。具体的なビジネス・サービスで実現されている、素敵な未来像を想像できるように書きましょう。

●結 : メッセージ

実現したい未来像が描けたら、結びはメッセージです。この未来像を実現する事で、喜び人の姿や、より良くなった社会の姿を描き、このビジネス・サービス検討をする人に夢を伝えましょう。この夢こそが、ビジネス・サービスを創る上での、原動力となる大事な部分です。


●過去のメタバース関連記載はこちら

●メタバースを含む、2022年の少し未来地図はこちら

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