【自閉症奮闘記】⑧ 母の慟哭。

障がいカミングアウトの一番最後は母でした。正直、友人達は理解はするだろうなとは思っていたんですが、母にこの事を告げるのは、どうしようか迷いました。

僕は3年前に離婚をしているので、今、家族と言えるのは母と姉しかいません。

我々家族のことを少しお話しすると、僕は3人兄弟の末っ子長男。当初は5人家族でした。父は僕が小学校上がったときに病死、2人の姉のうち1人は障がいをもって生まれ、24の時に障がいが治療できるかもしれない!という光明が見えてきた矢先、なんと手術中に様態が急変して亡くなるという凄惨な経歴があります。

身近な人の病気や障がいにいつも隣り合わせだった母に、さらに息子にも障がいが判明したとなると、その心境は如何ばかりか…。

とはいえ、告げない訳にはいかず。電話を鳴らしました。

「あら久しぶり、どうしたの?ご飯はちゃんと食べてるの?ちゃんと寝ているの?」

僕に対する母の第一声はいつもこれです。

僕がご飯を食べるのを忘れるくらい何かに没頭したり、仕事がずっと終わらなくて眠ないことがよくあることを知っているので、必ず第一声は食事と睡眠の確認です。その確認の後、早々と本題に入ります。

「あ、大事な話が合って…。実は、俺、障がい者に認定されたんだ」

「…え…。」

友人との話で免疫はついていたのか、経緯や説明はできたように思います。後は、色々と話したのですが…。どうやら電話の向こう口では泣いていたように思います。

先天的な脳の機能障害であることや、特徴など。母も思い当たる節が合ったようです。一通り話をして、母は

「申し訳ないね…」

って何かを押し殺したような声で僕に告げたんです。

まだまだ認知が乏しい障碍者の世界。