夜の雨は重い。

夜の雨は重い。傘に雨粒が落ちる度、夜雨の重量に負けないよう、柄を握る手に力がこもる。今になって、自分に放たれた言葉達が針のように心臓を貫いた。路地裏が視界に入る。暗くて不気味でじめじめした異空間。傘も差さず、男が金属バットを振り下ろしていた。血が壁に飛び散る度、胸が軽くなった。

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