狂気が支配する廃墟を。

「のーめん?」
「のーめんを、得た者が、この街を、救える。救う、権利が、与えられる」
「夜鰐」は動かなくなった男の後ろ髪を鷲掴みにし、何度も地面に叩き付けながら言った。額が割れ、窪んでいく。
「のーめんを、手に、入れろ」
その日、漆黒のお面を被った俺は、狂気が支配する廃墟を出たんだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?