どうでもよくなっていた。

「夕方が好きで、朝と夜が嫌い?」
夜の路地裏。能面を付けた男は不思議そうに首を傾けた。
「じゃあ、何で夜の街にいるの?」
「あいつがいたから……あいつが、この街に住んでたからさ」
もう、何だか色んなことがどうでもよくなっていた。
「でも……もう、なくしちゃった。この街にいる理由」

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