街が濃霧に包まれる。

濃霧。池が見えない。廃棄物を処理出来なかった、怒りが、焦りが、廃棄物扱いされた日々の恐怖が、身体の中から流れ出ていく。池から何かが現れた。霧で見えない。感覚で分かる。巨大で、邪悪で、凶暴な、何か。そして、街が潰れた。その日から街が濃霧に包まれる度、サイレンが鳴り響くようになった。

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