アルコール。

夜雨が降った。じめじめした路地裏に降り続ける。黒色の傘を差して、夜を歩く。ダークで静かで憂鬱になりそうな音楽が心地よく両耳に届く。能面が暗闇に浮かび上がった。夜雨降る路地裏。能面を付けた男が傘も差さず、濃紺色の空を見上げていた。凄く分かるよ、その気持ち。雨と路地裏はアルコールだ。

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