あの夕方が脳裏にこびり付いて。

電車の中から見る夕方の街が好きだった。流れゆく景色、街を覆い尽くす人工物、空を支配する淡いオレンジ色と藍色。夜になる前のその数分。街が黒く塗り潰される前の脆く儚いその瞬間が好きだった。あれからどれぐらい経った? ここには君と夜がいる。それでもあの夕方が脳裏にこびり付いて離れない。

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