隠れてる。

「何してるの?」
夜の路地裏。能面を付けた男が話しかけてきた。
「……隠れてる」
「何から?」
「街の住人から」
「何で」
「怖いから」
「ふーん。じゃあ、これあげる」
能面の男が僕に段ボールを被せた。
「怖いものからは、徹底的に隠れなきゃね」
初めて、この街の闇夜に安心出来た。

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