ガスマスク。

夜。路地裏。入り乱れた配管。汚れた室外機。錆びた壁。私の心を支配する闇。誰も来ない。誰も手を差し伸べてくれない。私は壊れた濃紺色から抜け出せないでいる。もう、誰にも期待なんてしていない。救いなんていらない。所詮、他人は他人でしかない。ガスマスクが、目の前にあった。
「救いに来た」

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