正しさ。

「何が怖いの?」
夜の路地裏。兎のマスクを被った男が僕に尋ねた。
「正義」
僕は段ボールを頭に被ったまま、素直に答えた。
「そんな、大層なもんじゃないぜ」
兎のマスクの男が鼻で笑った。
「あいつ等が好きなのは、正しさじゃない。正すことだよ」
街に朝が来ないのも、悪くないと思えた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?