液体を踏んだ。

液体を踏んだ。雨は降っていない。付けている能面が少し気持ち悪がっているように感じた。
「遊ばねーよ! 糞餓鬼!」
近くの路地裏から怒鳴り声。覗いてみる。蛙のマスクを被った子供が中年の男に水鉄砲の銃口を向けていた。びしょ濡れの男は苦しみながら溶け始めた。液体を踏んだ感覚を思い出した。

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