夜なんか好きじゃない。

夜なんか好きじゃない。好きだったあいつはもういない。この街にいる理由なんてどこにもない。荷造りをして外に出た。曇った空、淀んだ空気、小汚い路地裏。それでも何だかそれ等全てが羨ましかった。それぞれがなりたい色に染まっているかのように見えた。
「次はお前の番だぜ」
誰かの声が聞こえた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?