マガジンのカバー画像

一日一夜。

165
「夜の街」を始めから知りたいというあなたに。本編とはあまり関係のないものを省いたマガジンです。宜しければ。
運営しているクリエイター

2020年8月の記事一覧

僕が大人になったら。

「僕を殺さないの?」 段ボールを被った僕は、隣に座る彼に尋ねた。 「あぁ」 彼は頷いた。 「…

映画でも観よーよ。

「暑いねー」 漆黒のお面を被り、室外機の上で夜空を見上げる。 「暑いな」 隣には、壁に背中…

金魚掬い。

暗がりに誰かが佇んでいた。気になり、そいつの正面に立つ。少しずつ目先にある何かが発光を始…

獲物を待つ巨大な化け物。

夜の廃墟は暗闇の中で大きな口を開けて獲物を待つ巨大な化け物みたい。俺達は自ら食べられに行…

この街の大人はつまらない。

どいつもこいつも遊ばない遊ばないって……。この街の大人はつまらない。お陰で路地裏はびちゃ…

能面付けさせて。

「能面付けさせてー」 黒色のとんがり帽子の先端で、少女が僕の身体を何度も刺す。トリケラト…

夜に溶ける。

今夜も泥濘んだ路地裏で蛙のマスクを被って跳ね回り、遊んでくれない大人を水鉄砲で放った特別な液体で跡形もなく溶かしていく。 「うぉー夜に溶けてくぅー」 どこからか楽しそうな声。そこには室外機に座る漆黒のお面を被った男。 「みずてっぽーで街を壊せるじゃん」 夜に溶ける。とってもいい表現。

奥の自動販売機。

暗い路地裏。泥濘んだ地面をお気に入りのスニーカーで進む。呻き声が聞こえた。赤い提灯の横に…

煙草はマチェットに変わる。

程よい強さで息を吐き出す。夜空にゆらゆらと煙が上がっていく。濃紺色と白色のコントラストに…

彼等は無邪気に笑うんだ。

ふと、街の住人全員が笑顔になったらどうなるんだろうと思った。街に朝が来るようになり、犯罪…

液体を踏んだ。

液体を踏んだ。雨は降っていない。付けている能面が少し気持ち悪がっているように感じた。 「…

悶え苦しみながら溶けていった。

蛙のマスクを被り、背負う為のタンク付き大型水鉄砲を手に、夜の路地裏を両足飛びで跳ね回る。…

不気味なぐらい甘い笑み。

悪意が嗤う路地裏を今夜も能面を付けて歩く。殴る音。呻き声。足が勝手に動いていた。そこには…

気持ち悪いね。

白色のワンピースを着て、夜の路地裏を歩いていたら、縞馬のマスクを被った男に糸鋸で襲われた。「口裂け少女」として、奴の口を裂かなければ。 「君、気持ち悪いね」 突如現れた綺麗な顔立ちの男が、マチェットで縞馬のマスクの男に切りかかった。今夜だけは、あの冷たい三白眼を忘れられる気がした。