見出し画像

秋の夕暮れに思い出す・Elliott Smith『Miss Misery』

みなさんこんにちは。朝晩が過ごしやすくなって、布団に寝っ転がる瞬間に意識が無くなるnock3です。爽やかな秋、大好きです。

秋は気持ち良い気候で行動的になれる季節ですが、昼と夜の気温差で心身のバランスを崩しがちです。私は30代後半から秋口に気持ちが落ち込むことが多くなったことに気がつきました。友人の話だと、ホルモンバランスが崩れる影響もあるとのこと。加齢ですな。

気温も気持ちも不安定なこの時期、ふと思い出すアーティストがいます。それは、2003年に急逝したアメリカのシンガーソングライター「Elliott Smith(エリオット・スミス)」です。

彼を一躍有名にした曲と言えば、映画『グッド・ウィル・ハンティング』のエンディング曲『Miss Misery』


この曲を私が初めて聴いたのは、1998年発表のアルバム『XO』のボーナストラックでした。その後、友人の勧めで見た『グッド・ウィル・ハンティング』のエンディングにこの曲が流れて、改めて曲の素晴らしさを実感。




私がこの曲が収録されていたアルバム『XO』を聴いていた当時、私自身も一人暮らしを始めたばかりで心が不安定な時期でした。学校の友人との付き合いもあって生活自体は楽しいものでしたが、友達と別れて自宅に向かう時は、やっぱり寂しい気持ちになった。特に秋口の夜は気温が急激に下がることもあり、人恋しい気持ちにもなる。そんな中でこのアルバムを聴くと、彼の穏やかな声とギターの音色、独特の哀愁が漂うメロディーを聴くと、より孤独感が強調されました。

アルバム全体の印象としても、メロディの美しさと共に、その背後にある危うさを感じ取ることができた。たぶん、これは私だけではなく、当時聴いていた方の多くが感じていたことなのではないだろうか。

そして2003年。彼が急逝したというニュースが飛び込んでくる。当時の私は彼に関する情報をほとんど持ち合わせていませんでしたが、当時よく聞いていたRadioheadやBen  Harperと同じくらい、新譜が楽しみアーティストとして認識していたので、とてもショックを受けたことを覚えています。

彼が亡くなった後も、私はアルバム『XO』を頻繁に聴いていたのですが、持っていた音源がMD(懐かしい)だったので、数年前に処分してしまっていました。ただ、彼の音楽は私の頭の中にはっきり残っており、気温がグッと下がる秋口、気持ちが不安定になった時、ふと、彼の音楽を思い出します。


今回この記事を書くにあたって、ネットで彼の生い立ち、音楽活動について調べてみたのですが、彼の作り出す音楽の美しさと危うさの理由が少しだけ分かった気がしました。そして、この危うさというものは、誰もが少なからず抱えているものではないかと感じました。


久しぶりにネットで『XO』を通して聴いてみて、アルバム全体としての完成度の高さに感銘を受けました。今ではほとんどメディアに取り上げられることのないElliott Smithですが、彼の残した楽曲が素晴らしいものであることは間違いありせん


当時生まれていない、彼のことを知らない若い年代の方へ聴いてほしい。また、私と同じように、彼の音楽を知っている年代の方にも、是非、再聴してほしいなあと思いました。



おわり


この記事が参加している募集

思い出の曲

サポートいただけたら、デスクワーク、子守、加齢で傷んできた腰の鍼灸治療費にあてたいと思います。