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1冊5ドル、4冊で10ドルのノート

オーストラリアに、Typo(タイポ)というチェーン店の文房具屋さんがありまして

ここでは一冊5ドルのノートをレジで出すとやけに陽気な店員さんに「えーと、4冊で10ドルになりますけど、どうします?」と聞かれる。

てことは1冊$2.50じゃない!?

と小躍りしながら再び売り場に戻ってついつい4冊買っちゃうことが多いんだけど、帰ってから考えてみると、実際に必要なのは1冊で、つまり$5ドルの出費のはずだったのが$10も払っちゃって

「むしろ本日の私は$5の損だったのではないか…」

としんと冷えた気持になる。

ほんと、混乱しちゃうからあんまり自由奔放な値段のつけ方しないでください。

前に水を買おうと思ってコンビニに入ったら300mlの水よりも1.25Lのコーラのほうがうんと安かったもんだから、おろおろして思わず二つとも買ってしまったこともありました。

モノを買うときの思考の癖、というものがありますね。

① 値段に関係なく(というか値札を見ることさえしない)必要な分だけ必要な時に手に入れる人

② 「最終的に払った金額」にはあまり拘泥せず「一個当たりの値段」の低さに一喜一憂する人

商売的には、我々②グループの人々がターゲットにされることが多くて(当たり前だ)、スーパーに入れば「ポテトチップス2袋で1袋の値段!」、本屋さんに行けば「3 for 2! (3冊買うと2冊分の値段)」という浮かれたポップが目にぴょんぴょん飛び込んできます。恐ろしいですね。公園でカモを見かけると親近感が湧きますね。

ビバ、カモ!

先日の新聞記事で、心理学者の人が「クセや習慣を変えるには1か月かかる」と書いていました。

1か月くらいでクセや習慣が変わるのか・・・

1か月なんて単位、星の数ほどすぎたけど、全く変わってないし。

もしかして「時間」なんかたっちゃいないんじゃないか!?

世界は5分前に始まったのかもしれない

というバードランドラッセルの『世界5分前仮説』、あれは正しいのかもしれませんね。世界は5分しかたっていないのかもしれない。だから私のクセも変わらないのかもしれない。なにせ5分ですから。

うちには、今すぐにでもヤギが飼えるくらいノートがありまして、それを見ると飲みすぎた次の日の朝、台所に並んだ酒瓶を眺めるような心持になります。

半分使いかけのノートもいっぱいあって、捨てようにも、電話番号やなんかがあちこち書き留めてあって、しかも誰の番号なのか、円周率なのか誕生日なのか、判別が難しい。

さらには、他のノートに書いたメモ(たぶん重要...なのか?)もチョキチョキ切って貼ったりしてあるので

なにこの「犯人からの脅迫状」みたいなやつー-!?といちいちギョッとする。(過去の自分、今すぐここにきて説明しとくれ!)

そんなの捨てちゃえばいいんだけど、人間、一寸先は闇ですからきれいさっぱり捨てた直後に「あ、あの番号!」なんてことにならないとも言えない。いや、むしろ捨てた瞬間にそうなる可能性がおそろしく高い。

手帳とかノートなんてものは、ただこざっぱりと洗い立てみたいに真っ白で、すべすべしていて、破れたりしていなくて、誰かが落書きなんかしてなくて、文字が書きやすいように線が引いてあれば、そしてその上に字が書ければ、それで充分事足りるのだ。

って言ってみたいなー。一度でいいから。

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