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図書館戦争シリーズを読んでくれ

皆さんは図書館戦争というお話を聞いたことがありますか?
映画化もされたので、聞いたことあるという人も多いかもしれないです。

正直、こんな紹介記事読んでないでとっとと本屋さんで購入願いたいところですが、そうはいってもこんな投げやりなお話ではなかなか皆さんも読んでくれないでしょう。

簡単なあらすじから


1988年、公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を規制するための「メディア良化法」が制定される。法の施行に伴い、メディアへの監視権を持つメディア良化委員会が発足し、不適切とされたあらゆる創作物は、その執行機関である良化特務機関(メディア良化隊)による検閲を受けていた。この執行が妨害される際には、武力制圧も行われるという行き過ぎた内容であり、情報が制限され自由が侵されつつあるなか、弾圧に対抗した存在が図書館だった。
実質的検閲の強行に対し、図書館法に則る公共図書館は、「図書館の自由に関する宣言」を元に「図書館の自由法」を制定。あくまでその役割と本の自由を守るべく、やがて図書館は自主防衛の道へと突き進んだ。これ以降、図書隊と良化特務機関との永きに渡る抗争に突入していくことになる。
時代は昭和から正化へと移り、図書隊は激化する検閲やその賛同団体の襲撃によって防衛力を増す。それに伴い、拡大解釈的に良化法を運用し権勢を強めるメディア良化委員会との対立は、激化の一途をたどっていた。

Wikipediaより引用

あらゆる言葉・表現が「狩られる」ようになった日本でのお話。
主人公である笠原郁は、そんな狩られる本を守るために唯一の対抗機関図書隊へ入隊するーーー といった感じで始まります。

はい、ここまで読んで、「私には無理かなあ、そういうハードな設定とか無理だし」とか思った方!

無理じゃない!

この本の作者は有川浩さんという方で、活字でベタ甘に定評のある作家さんです。
このシリーズもご多分に漏れず、ベタ甘ラブコメとなっています。

つまり、SF×ラブコメといった作品なんですね。

言葉が狩られるという難しい状況を描きつつも、日常に近いラブコメを入れることでとても読みやすいものになっています。

かなりこっ恥ずかしいこと書かれているので、何度同じところで本を閉じたことか!(共感性羞恥)


ここからは蛇足感あります。

さて、そんな本なんですが、考えさせられるのがやはり「言葉狩り」の部分です。

この本の世界では、ありとあらゆる言葉がその文脈を無視し、狩られています。そして国民はそこに不便を感じつつも受け流そうとしていく。

今から9年前、東京都条例が大問題となりました。
その経緯はこちらが詳しいので参照していただければと思います。

簡単に言えば表現の規制という条例であり、あくまでも一地方自治体の条例という状態でありながら日本国憲法が定める表現の自由に抵触するのではないか、また、実際に規制をするにしてもどこの誰とも分からない誰かが恣意的に規制を決めるのが問題などかなり盛り上がりました。

この本を読んで強く感じるのは表現というものは自由で守られていなければならないものであり、その良し悪しはそれを見て判断されるべきものであるという部分です。
どれだけ問題がある(と思われる)表現であっても、そこから個人が何を感じるのかが大事だと考えます。
(この辺、じゃああれはどうなんだとかこれはどうなんだとか色々あるところかと思いますので、詳細はお話しませんが機会があれば書いていきたいなと思います。)

いま香港でも条例改正の件でデモが行われていますが、人間の表現欲は抑えられないものだと思います。
ちょっと真面目な話になってしまいましたが、図書館戦争シリーズを楽しむためだけでも、物事を考えるためでも、ぜひ読んでもらいたい本です。

追記
普段あまりニュースとか見ないよという方でも、表現規制など自分に影響することが自分の知らないところで勝手に決められるということが今後あるかもしれません。
この図書館戦争というシリーズが、フィクションとして、「こんな世界に本当になったら嫌だなあ」と笑えるものであることを願い続けます。

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