顧客を絞れば、課題が見える
こんにちは。プロダクトマネージャーのたけまさです。
先日Flyleさんのイベント"深いドメイン知識が求められる製品で、PMは顧客ニーズの発見にどう向き合ったか?"の登壇内容の要約記事です。
ターゲットはスタートアップや新規事業に関わる方を想定しています。
BtoB事業は事業開発やプロダクトマネージャーが、事業ドメインのエキスパートであることは稀です。自分が利用者にならない領域で顧客理解、課題探索、解決策の提供をどのように行うのか?というテーマです。
本日のコアメッセージ
なぜ課題が見えないのか?それは顧客の解像度が低いことが原因。
顧客を解像度高く理解できる規模まで切り分け、具体的な課題が見える状態にすることが、課題解決の一歩目である。
顧客を絞る
大きな市場を"大きなまま"で取り扱うことの罠
製造業のようにTAM(獲得可能市場)の大きさは魅力です。一方で大きすぎる主語のままでは、顧客解像度を上げることはできません。
小規模なスタートアップや新規事業チームが、現実的に課題解決に着手できる規模に、市場と顧客を切り分ける必要があります。
顧客を絞って、顧客解像度を高める
市場分割は顧客と課題の組み合わせが、事業として成長可能な規模であることは外せないポイントです。この時点で後の成長曲線が決まります。
市場分割後は各セグメントを市場の規模、成長率、シェアなどで評価。限定的なリソースで最速の成長をするための優先度設定が必要です。
顧客の数が絞ることで、短時間で1セグメントあたり課題探索を狭く深く実行することを可能にします。
課題が見える
課題の階層構造とは
ここでは課題は大きく3階層(現場、経営、市場)に存在するという定義をします。自分たちの選定した課題がどの階層に着手しているのか、認知できるようにすることが目的です。
下の階層に行くほど、課題の解決難易度は高くなり、解決時のインパクトも大きくなります。
顧客の言語理解:効率的なドメインの学習方法
「顧客の言語理解」のためには一定のドメイン知識が必要となります。
PMにとって利用頻度の高い「顧客が何を実現したいのか?(what知識)の優先的な学習をおすすめします。
課題解決の方向性
課題解決の方向性は、事業成長を"インパクト"と"広さ"のどちらで実現するのか。ビジネスモデルと大きく関係します。売上10億を10社 or 10000社のどちらで目指すのか。
昨今SaaSやプラットフォーマーの成長企業は、中小企業の「現場の課題解決」をヨコ軸で広くまとめて、大きなボリュームを作ってきました。
一方で少人数のスタートアップが、大企業の課題を深くタテ軸で解決するインパクト型のベストプラクティスはまだ多く存在していません。
インパクト型探索:"逆算"と" 積上"の課題解決
AIなどまだ社会に実装されていない新領域では特に、逆算の課題解決が重要です。現場からスタートする積上の課題解決は、既存手段が競合になり、コスト改善の論点から抜け出すことができません。
各階層の課題も極めて深くドメインエキスパートとの協業しながら、新しい提供価値を軸に、市場/経営/現場の課題を結びつける、大きな絵と第一歩を提案となります。
まとめ
顧客を絞ることで、具体的な課題がみえる
具体的な課題が見えれば、課題解決の方向性を定めることができる
アダコテックも鋭意、逆算の課題解決を実現すべく事業に取り組んでおります。以上、ご拝読ありがとうございました!
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