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ぬるいコーヒーと八方美人。

八方美人という言葉をみて、みんなはどういった印象を受けるだろうか。

どこからみても欠点のない美人から転じて、誰からも悪いように思われないように振舞う人のことを表す言葉だ。今の時代に使っていい言葉なのかは怪しいが、今回はそちらの話題は置いておこう。どちらかと言えば、この言葉は批判的な意味で用いられることが多い。なぜ批判的に使われるのだろうか。

ぼくは別に八方美人が悪いことではないと思う。むしろ、いろんな人に合わせられることが出来るのは、特別な能力だ。しかし、すべての八方美人と呼ばれる人たちが、美人であるかといえばそうではない。

こんな話を聞いたことがある。あるコーヒー屋が、店でホットコーヒーをメインで出すか、それともアイスコーヒーをメインで出すかを悩んでいた。ホットを望む人もアイスを望む人も同じくらいの人数で、どちらを選べばいいか決めれずにいたのだ。最終的に店主は、どちらのお客も取り入れようとホットとアイスの中間の温度のコーヒーを出すことにした。結果、そのぬるいコーヒーを求める人は誰もおらず、ひとりもお客がいなくなってしまった。

これは八方美人の失敗例だ。どちらにも歩み寄ろうと中間の立場をとったために、どちらからも信用されないような振る舞いをしてしまったのだ。

自分の立場を明確にしなければ、どっちつかずになってしまう。それは結局誰にも寄り添えていない状態なのだ。本当の美人は、自分の立場をハッキリとさせている人だろう。そういう人は、あらゆる人と対等に付き合うことができる。意見の相違はあれど対等な関係であるなら、悪く思われることはない。

人と付き合う上で大切なのは、自分のスタンスを明確に提示することだということがわかる。ホットでもアイスでも、ビターでもマイルドでも、私はこうだと主張することだ。

ぬるいコーヒーだけは出さないように、心がけたいと思う。

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*ぼくは全員から好かれる必要はないと思いますが。


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