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鬼滅と鋼と君の名は

映画公開からわずか三日間で46億円の興行収入を叩き出した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。上映本数の多さからも人気の程が伺える。社会現象ともいえるムーブメントが起きた理由はどこにあるのだろう。

ひとつは、吾峠呼世晴先生による原作がシンプルに面白いことが挙げられる。鬼と人間という対立構図でありながら、敵である鬼はもともとは人間であるという点。さらに、主人公である竈門炭治郎の妹である竈門禰豆子が鬼になってしまったことで、敵味方の境界線に曖昧さが生まれている。そんな中で揺れ動いていく登場人物たちが、まさに現代の価値観の揺らぎを象徴するストーリーになっている。

別紙ではあるがダークファンタジーの金字塔である『鋼の錬金術師』の文脈を引いているように思える。主人公エドワード・エルリックの弟であるアルフォンス・エルリックは人体錬成の代償により肉体を失ってしまう。エドは、そんな肉体のない弟を“人間”として受け入れることによって、人間という枠が大きく揺らぎ葛藤する。その姿が炭治郎の姿と重なるのだ。

二つの漫画には、原作者が女性という共通点もある。少年漫画を女性が描くことで男女問わない人気を得たのかもしれない。確かにエドも炭治郎も少年漫画らしい、所謂男らしさだけのキャラクターではない。ときには傷つき弱音も吐いてしまう。等身大の人間らしさが感じられる主人公が大きな共感を生んでいるのではないだろうか。

また、2016年に公開された新海誠監督のアニメーション映画『君の名は』とは、プロモーション面での類似点が挙げられる。アーティストとの相乗効果だ。『君の名は』はRADWIMPSを作中音楽の担当に抜擢し話題となった。また主題歌である『前前前世』は、映画とともに爆発的なヒットを収めた。『鬼滅の刃』とLiSAの『紅蓮華』も同じ関係性といえる。

今後の展開にも目が離せない。

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*まだ映画観てないので、はやくいきたい、、。漫画もアニメもすきです。

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