福知伸夫

木版画家、イラストレーター、絵本作家として活動。主な絵本に『とってください』『こちょこ…

福知伸夫

木版画家、イラストレーター、絵本作家として活動。主な絵本に『とってください』『こちょこちょ』『ぱかぱか』(福音館書店)『だんだんのみ』『はなたれこぞうさま』(岩波書店)著書に『なにしてあそぶ』(福音館書店)など。

最近の記事

張り子の意味

リスの張り子を作りました。上手くできたと思いますが何か足りない。初めて作ったトラの張り子は、伝統工芸のデザインを参考に作りました。伝統工芸の張り子はリアリティは弱いが面白い。単純な色、おおらかな形と筆運び。張り子は魔除けや健康を願って作られた。邪気を払う顔つき、運気を上げる上方向に伸びた尻尾とひげ。時間を経てできた張り子のデザインはおおらかで力強い。そんな張り子に魅力を感じます。

    • 張り子と木版画の共通点

      張り子を作ってみて木版画との共通点がありました。 それは型があることです。 張り子は粘土の原型、木版画は板木の版があります。 どちらも型から同じものができます。 厳密には同じものではなく同じようなもの、同じとするものができます。 以前作った絵本に、型をとることをテーマに作ったものがあります。 『ひらいてみると』デカルコマニーの技法を使った遊び。 『なぞってみたよ』身体や物の形をなぞる遊び。 『こすってこすって』紙の下にあるものをクレヨンで擦り出す遊び。 直接絵を描かな

      • 初めての張り子作り その5 着彩

        下地が乾いたら着彩して出来上がり。 アクリル絵の具で着彩します。 初めてにしては上手くできました。 表面の凹凸が大きくでたのは、張り子紙と書道紙の貼り方が雑だったからでしょう。 原型を樹脂粘土を使って成型すれば凹凸が少ない表面になると思います。 自分で作ると愛着が湧きます。 初めての張り子作りは、今回で終わりです。

        • 初めての張り子作り その4 下地を塗る

          下地を塗ります。 下地は貝の粉が入った胡粉ジェッソを使いました。アクリル絵具で乾きが速くて扱いやすいです。 下地を塗る前に張り子に穴を開けて竹ひごをさします。 竹ひごに紙を巻いて穴にさしたり、竹ひごより小さな穴を開けるなどして、張り子が動かないようにしてください。後の作業がしやすくなります。 大きめの平筆を使って、たっぷりと下地を塗ります。 下地を塗る時に竹ひごと張り子が固定していないと張り子が動いて塗りづらいです。下地を塗った後はプラスチック容器に詰めた油粘土に竹ひごを

        張り子の意味

          初めての張り子作り その3 型を取り出す

          張り子が乾いたら中の型を取り出します。カッターで張り子に切り込みを入れて型を取り出します。どこに切り込みを入れればよいのか分かりません。とりあえず横に切り込みを入れました。 手を切らないように慎重に作業をしました。 型を取り出すのに脚が上手く抜けずに割れてしまいました。脚や耳など引っかかる箇所は細かく切り込みを入れると取り出しやすくなります。切り込みが多くなると後で組み立てるときに苦労しますので、切り込みは少ない方がいいです。全部切り離さないで一部分つながっていると次の組み

          初めての張り子作り その3 型を取り出す

          初めての張り子作り その2 紙を貼る

          ラップを巻いた紙粘土の型を張り子紙で包みます。張り子紙は使う前に水に20〜30分浸けておきます。 張り子紙はネットショップで手に入ります。新聞紙でも代用できますが、こちらの方が作業がしやすいです。 張り子紙で型全体を包みます。この時、紙が重なって厚くならないように、重なる箇所は紙を破いて取ります。穴が空いたところは小さくちぎった張り子紙を貼って埋めます。張り子紙を型に貼るときは糊は使いません。張り子紙の湿りだけでつきます。 新聞紙を使う場合は、水で溶いた大和のりで新聞紙

          初めての張り子作り その2 紙を貼る

          初めての張り子作り その1

           以前から無心に作業がしたくて、何かないかと探していました。編み物、わらじ作りは、すぐに飽きてしまいました。セーターの虫食いを繕うダーニングは、穴が空いた箇所を埋めたら終わりました。そこで、今回は張り子に挑戦してみました。 紙粘土で原型を作ります。 紙粘土が乾いたら全体をラップで包みます。ラップと原型の間に、なるべく隙間が出来ないように、セロテープを使って形を整えます。 次回は型に張り子紙を貼ります。

          初めての張り子作り その1

          至難の業

           みなさんはアイディアをどう生み出しているのでしょう。年に何冊も出版している作家は本当にすごいと思います。絵を描くだけでも何ヶ月もかかるのに、ストーリーを作りあげるのは至難の業。いいアイディアが生まれ採用される確率は1割はない。大リーグの選手だったら解雇です。絵本の神様が何度も降りてきて頂けるには、どうすれば良いのだろう。どうしたら点と点がつながって、ぱあっと霧が晴れたあの瞬間を迎えられるのだろう。歯を磨きながら、トイレで用をたしながら、風呂で頭を洗いながら、台所で皿を洗いな

          至難の業

          絵本の絵

           絵本は自分で読むよりも人に読んでもらったほうが面白いと思います。話を聞きながら絵を見ていると絵に集中できます。絵本に描かれていない絵が見えたり、動いていない絵が動いて見えることもあります。絵はストーリーの理解を助けてくれます。場面を展開する推進力にもなっています。  絵本を読んだ人それぞれの世界が広がるような絵を描きたいです。ストーリーに素直な絵を描くように心がけています。

          絵本の絵

          Noteを使う理由

           絵本を作っていて一番の問題はアイディアを出すことです。散歩中、入浴中、歯を磨いている時にアイディアは降りてきますが、ただ待っていても何にもアイディアは生まれません。歯を磨く度にアイディアが降ってくればいいのですが、そうはいきません。  良いアイディアはないかと気になったことや思いついたことを手帳に書いています。メモを後で見返すと汚い字で殴り書きをしているので、何を書いたか読めません。このメモが絵本の創作に直接役に立っているとは言えません。でも、言葉や文字にして自分の考えてい

          Noteを使う理由