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ICT教育による健康被害を防止する福祉・保健分野からの対応について(2)

2月16日に下記の投稿をしました。
FBに投稿なさった今度珠美さんのご意見についてのコメントです。
そのコメントに今度さんがコメントをくださったので、さらに
返信させていただきます。対話を繰り返していくことで、少しでも解決策につながっていくようにと願います。
なお、長くなったので、FBのコメント欄では読みにくい、読まれにくいと思い、note に書いて、貼り付ける次第です。

論点は簡単に言うと、

「子どもの養育環境は、子どものウェルビーイングの保障のために、整えられる必要があります。だから、福祉・保健を充実させなければなりません。

と、そこで終わるのか、

福祉・保健をも含めた子どもを取り巻く養育環境が整っていない現状がある以上、子どもたちを守る方向に策を練らなければならない、と考えるか。

その違いです」

最終的に、子どもたちを守ることができれば、どちらでもいいのです。前者を訴えることで、本当に福祉・保健領域を含む予防対応がなされるのであればそれを望みます。


(今度様)1・社会福祉が効果的に働くために必要なことは?.とのことですが,今の「行政縦割りを横の横断で支援すること」につきます.この課題はこっち,あの課題はこっちと部署が異なりいつも円滑に連携できないのです.子どもの背景の課題は複雑です.
ではどうすればいいか,それは私ではなく関係課が解決する問題です.
よく,対案や良案を出せないなら意見するなと言われますがそれは違います.公園の使い勝手が悪いと管理者に意見したら「では解決策を出せ」とは言われないですよね.利用者に不都合があるなら解決策を練り対処するのは管理側の責任です.
私は連絡会議でも再三対処を求めています.善処されましたら報告します.
 
(武田)その通りだと思います。そして、私の関心事は、もし管理側が責任を果たさなかった場合に、子どもたちに健康被害が起きたとしたらどうするか、ということです。私は、そんなことが起きないようにと思って発言しています。今度さんも子どもの健康のことを気にかけておられると思いますので、同じ立場ではないでしょうか。
 ただ、違うのは、私は、子どもたちに被害が及ぶ可能性があるならば、誰かの責任を問うよりなにより、まず子どもたちに犠牲を出さない方向に動く必要があると考えているということです。

(今度様)2・年齢による発達の問題とのことですが下記6を参考になさってください.
(今度様)3・優先順位は中毒の子には対応困難では?とのことですがそれは武田先生の経験上でしょうか.私は高校定時制にもよく授業,相談対応に行ってますがゲームを1日15時間位している子がいます.家庭環境も厳しい.一人一人と面談しハマっているゲームを一緒に遊びSNSも繋がっています.優先順位を決めるところから約束します.社会人になるにあたり行きつ戻りつ少しづつ守れるよう支援しています.ソーシャルワーカーとも連携していきます.多くの家庭に固定電話のない現代,端末を取り上げたら彼らとつながることもできません.どの子も可愛いです.対応困難など思いません.どの子も信頼し共に頑張っています.

(武田)今度さんは対応できるように学習と経験を積まれた方なのだと思います。今度さんとの関係性の中で、スマホよりも大事なことができるから、治癒していくのでしょう。でも、普通の大人にそれができるでしょうか。病院やカウンセリングで治療困難な事例が報告されています。中毒というのは、アルコール中毒でも薬物中毒でも、依存をやめられないから中毒なのです。今度さんと同じことができる人を養成しなければなりませんが、現時点ではそのような計画は福祉領域にも保健領域にもないのではないでしょうか。

(今度様)4・ルールを守るは困難な現状,とのことですが,私はルール(規則)という言葉を使いません.約束と言います.規則は与えられるもので罰則も伴うかもしれませんが約束には同意があります.ルール(規則)は確かに守りにくいでしょうね.
私たちは子どもたちと負荷をかけない個別利用に応じた約束を一緒に考えます.守れなかった時は理由も一緒に考えます.困難とは思いません.その場合は私たち大人のアプローチが違うのだと考えます.
 
(武田)3に対するコメントですでに説明いたしましたが、「私は」では、日本中のリスクのある子どもたちが守れないのです。

(今度様)5・大人が使いこなせてないのに..というのは確かにそうですよね.大人もFacebookが日中ずっとオンラインの方や夜clubhouseでずっと喋っておられる方など仕事は?家庭は??と考えてしまいます...もちろん環境は様々です.
大人だって上手に使えていないかもしれないのに子どもだけ規制するのはおかしいですよね.
保護者講演会ではいつも保護者の方の負担にならないよう大変さに共感しながらつきあい方のポイントをお伝えしています.子どもは聴覚より視覚が優先されるので見たように育つから,お父さんお母さんはいいけどあなたはダメ,ではなく一緒に習慣を考えていきましょうとはお話します.
 
(武田)お酒やたばこは、子どものからだの発達を考えて、子どもだけ制限しています。それもおかしいと思われますか?
 そして、もし子どもだけ規制するのがおかしいのであるならば、子どもに開放するのではなく、本当は大人も規制した方がいいということになると思います。子どもの脳と大人の脳、子どものからだと大人の体は違います。私は、将来ある子どもを守ることを大切にしたいと思います。
 もちろん、親子が健康について一緒に考えていくことは大切なことです。
 
(今度様)6(追記)・小学校から端末導入になったら幼児期から与えないか?とのことですが,
今日は保育園5歳児クラスでデジタル・シティズンシップの「オンラインの約束」という学習をしてきました.インターネットの利用でできることが広がる,可能性が広がる,という前提で,上手に使うための3つの約束を一緒に考えました.その後,保護者の方にもお話ししました.
米国では幼稚園期からメディアとのつきあい方の学習をしています.幼児期が情報社会の善き使い手になるスタート地点だからですね.この時期から親子で学んでおくことはとても大切です.蓋をしてはいけないのです.

(武田)アメリカは日本よりもいい教育をして、いい国民を輩出していて、日本が真似をした方がいい国なのでしょうか?たとえば、アメリカのいわゆる上位大学は、海外からの優秀な留学生たちに奨学金を出すことによって、彼らが支えているのではないでしょうか。
  また、アメリカでは、というのは、アメリカのどの地域のどの幼稚園でしょうか。すべてがそうではないと思います。アメリカでもスマホの制限をしている場合はあるでしょう。シリコンバレーの一部の親たちがそうですよね。
 そして問題は、ICTを使い続けた幼児たちの10年後、20年後の健康状態がまだ不明であるということです。たとえ今、大丈夫でも、何年か後に問題が起きるのが依存や健康被害です。ちなみに、視力や斜視の問題はすでに確実に起きています。

(今度様)これまで長年情報モラルを繰り返し端末を規制してきて,子どものトラブルや深刻な依存は減ったのでしょうか.
もし改善されていないとすると,それは,長年子どもの利用環境を見ようとせず,表面上規制し,家庭環境など背景の問題を切り分けず本人や家族に負荷をかけ続け,危険性や悪い使い方ばかり強調し,低年齢期から善き使い方をきちんと教えることをしてこなかったから,とは考えられないでしょうか.
もし,武田先生が端末規制や制限でこのような効果や改善が見られたという学術成果があればぜひ拝見させてください.

(武田)私は情報モラル教育については詳しくなく、これまで一言も書いていませんので、そのことについてのコメントは控えさせていただきます。
 また、端末規制や制限といった予防をすれば被害は出ないので、改善もありません。
 子どもの利用環境への対応の必要性は私も全くその通りだと思っています。だから、導入までにそれをする必要があると思います。そして、もしできなかったときに被害を被る子どもたちのことを、私は心配しています。

(今度様)私は16年間情報モラルの授業をしながら多くの子どもを見てきました.そして,3年前からデジタル・シティズンシップ教育の研究を始めました.自分の実践を省み批判的に検討を進め日々学校現場に通いながら研究しています.
その経験と研究を少しづつ積み上げながら目の前の子どもたちと向き合っています.
彼らが本当に可愛いく,皆,幸せになってほしいからです.
武田先生,このように議論を深めるのであればFacebookの返信やブログだけではなくアカデミックな場でもすべきと思います.ぜひ学会や研究会で質問をぶつけてください.
私も今年は教育工学会を始めいくつかの学会で発表しますのでぜひお声掛けください.どうぞよろしくお願い致します.

(武田)研究者でなくても意見は述べていいですよね。どうなるのですかと聞いても、それについて教えて下さいと言ってもいいですよね。私は、わからないことをわからないと書いている一大人です。どうも他の方にも誤解を受けているようですが、私は、この件に関して研究者として投稿しているわけではありません。一SNSの利用者として、子どもたちのことを気にかける大人の一人として、心理臨床を学んだことのある者として投稿しています。今度さんには、福祉と保健領域で確実に子どもたちの健康被害を予防できるような研究をどうか進めていただければと願っています。

#今度珠美さん #ICT教育 #健康被害 #福祉 #保健  
#メディア依存 #子どもとメディア

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