ICT活用が進んでいる高校で1-dayデジタルデトックスしてみたら 【週刊新陽 #95】
今週のタイトル写真、いつもの画像と風合いがちょっと違うのにお気付きいただけたでしょうか。実は写ルンですで撮ったデータを使って見出し画像を作りました!
なぜ急に写ルンですを使ったか・・・その理由は先日、1年次で行ったデジタルデトックスデーです。
日常の「出会いと原体験」に目を向けよう
デジタルデトックスという言葉を聞いたことありますか?
PCやスマホなどから意識的に一定期間離れる取り組みで、デジタル機器の過度な使用によるストレスや体の不調を軽減するための有効性を研究する論文も発表されています。
この度、1年次の生徒と教員で「デジタルデトックスデー」を開催。
発端は1年次メンターの先生たちの「画面に没頭してる生徒多いね」という会話でした。休み時間に1人で動画を見たりゲームしたりする生徒が多く、授業中についスマホを触ってしまう生徒や、休み時間に廊下での歩きスマホを目撃し、注意することもしばしば。
でも本当は、新陽高校に入ったからには日常の中にある『出会いと原体験』を見逃さないでほしい。まして、コロナ禍を経験し共に過ごす大切さが分かった生徒たちだからこそ、周囲に目を向けたりリアルに関わり合ったりするきっかけを増やしたい。
そんなメンターたちの想いから、この企画に至りました。
デジタルデトックスデー
生徒や保護者への事前アナウンスを経て、1月25日(水)に実施されたデジタルデトックスデー。
単位制1年次「みんな」で取り組むため、もちろん先生もデトックス。生徒が登校する8時35分からメンターの先生は全員スマホをオフにしました。
この日の天気は吹雪ときどき晴れ。朝の気温はなんとマイナス14℃!電車やバスのダイヤが乱れ、遅れたり休んだりする生徒も出ました。
生徒の状況把握など、いつもならパソコンやスマホで処理するのが当たり前となっている先生たちも、この日はホワイトボードや口頭でのコミュニケーションを通して情報共有(緊急の対応についてはPCを使用しました)。
「数年前まで新陽でもこうだったね。今もこうやって毎日やってる学校もあるかも」
「やっぱりデジタル機器やGoogleって便利」
といったつぶやきもある一方で、
「いつもならチャットするところだけど、こうやって直接話した方が早いこともあるね」
「画面より人の顔を見ながら話すの大事だね」
などの気付きがあったようです。
気付くことで次につながる
インターネットが普及し、今やスマホでなんでもできる時代。
新陽では生徒も教職員も1人1台デジタル端末を持ち、授業でパソコンを使うのが当たり前。スマホも学校に持って来てOKで、授業中は先生の許可があれば使用可能です。(新陽のICT活用に関する記事はこちら▼)
デジタル機器のおかげで生活が便利になったり、学ぶ機会や学べることが広がったり、メリットはたくさんあります。そして、そもそも今の社会においてデジタル機器を使わずに暮らすことはかなり考えづらいのではないかとも思います。
一方、インターネット依存(※)や過剰使用がもたらす不安障害や抑うつ感、健康問題、社会との関わり方による様々な問題なども無視できません。(※インターネット依存、と言われますが、問題なのはネットやデジタル機器そのものでは無く、それを通したプログラム等への依存と捉えるのが適切、という見方もありますが、一旦まとめて「インターネット依存」としています。)
そんな背景があって実施したデジタルデトックス。
終了後に生徒にとったアンケートでは、
・やってよかった 33%
・やらないほうがよかった 25%
・どちらでもない(どちらでもいい)42%
という結果でした。
「やってよかった」理由で一番多かったのは、「友達とたくさん話せた」「会話が増えた」という意見。他には「デジタルに依存しすぎていたと気付いた」「スマホの便利さがわかった」とデジタル機器との関わりについての感想や、「授業に集中できた」「課題に取り組む時間ができた」など学習に関する変化もあったようです。
一方「やらないほうがよかった」と書いた生徒たちは、「不便!」「やることなくて困った」「使えないのイライラする」と、デジタル機器が無い状態へのストレスが圧倒的に強かった気がします。
そして「どちらでもない」は、「特に何も感じなかった」という意見と「メリットもデメリットもあった」という意見、二つに分かれました。
ちなみに興味深かったのは「デジタルデトックス、またやる?」という問いへの回答。「やってよかった」と「どちらでもない」生徒は「またやったほうがいい」「もうやらないほうがいい」「どちらでもない」に意見が割れたのに対して、「やらないほうがよかった」生徒は全員が「もうやらないほうがいい」と答えていること。
今回デジタルデトックスデーに取り組んだ主目的は、デトックスできたかどうかではなく気付きが生まれること。
一人ひとり違うそれぞれの気付きを大切に、次に繋げていきたいと思います。
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