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雨を告げる漂流団地

壊されてしまう予定の団地に入り込む、夏休みの子どもたち。

大雨が降って、何故かコンクリートの団地が海に流されていく話。
謎の少年 のっぽ君。
こうすけと夏芽は喧嘩ばかりしているが、お互いを気にしている。
サッカー仲間の少年二人と
航祐好きな女の子とその友達 
同じ小学校の子が六人と謎ののっぽ君の七人で謎の海を漂流する。
きっと夢だ、とみんなで眠るが、一晩経っても同じ海の中で。



いろいろな建物が流されてくる。
食料がなくなってきたので
市民プールのような建物になんとか入って自販機を壊そうとしたり。
過ごす時間とお腹がすくところだけがやけにリアルなのだ。

夏芽は両親の離婚の後、航裕の家で彼の祖父にかわいがられて過ごしたことがあり、そのおじいさんの死とその時 航裕に言われたことから立ち直れていない。かわいがってくれた人の死に孤独感と罪悪感といたたまれなさが募っていき、人前では元気にふるまうが、心がついていけない。
さらに自分の親から愛されていないという無力感から、どこか死に親しんでいる。その夏芽が心配で現れたのがのっぽ君なのだが。


何日か過ごす中で、自分たちの内面を見つめ、成長していく。


けっこう命がけの状況も何度もあって相手の大切さに気付く。


自分の存在価値に悩む小学生に泣かされた。
素直になるのが難しい年ごろである。

見て良かった。



「雀の戸締り」を金曜ロードショーで見直した後だったせいか
「廃墟」に対して感じるところがいろいろあった。


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