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好きな言葉 ~bon voyage(ボン・ヴォヤージュ)~

bon voyage
フランス語:道中ご無事に!ごきげんよう!(新英和中辞典)

こう書くとごく一般的な挨拶の1つに過ぎない印象を受けるが、ある人の発言を見て、こういう捉え方があるのかという気づきを得て、とても好きな言葉になった。

その発言者は瀧本哲史氏。京都大学客員准教授であり、エンジェル投資家であった方だ(残念ながら瀧本氏は19年8月に病のために亡くなられている)。瀧本氏が2012年6月30日に東京大学で行われた講義の内容が「2020年6月30日にまたここで会おう」というタイトルで書籍化されているのだが、その最後の挨拶でこの言葉を用いている。

「bon voyage」は自立した人間たちの挨拶だ

もともとフランス語で「よき航海をゆけ」という意味の、船長同士の挨拶であり、決して、船員は使わない挨拶である。理由は、自分の船を持っている船長は、自らリスクを取っている意思決定者であり、航海において意思決定者ではない船員はこの言葉は使えない。また、船長同士「俺たちはお互いに自分の判断でリスクを取っている」という敬意があればこその言葉である、と。

また、お互いに敬意があればこそ、その先に困難が待ち受けていることが明白だったとしても、余計なことを言わず「よき航海を」とただ声をかけるだけだと。

この言葉の背景を捉え、若者たちにこの言葉を送る、瀧本氏のセンスと思いに私は心を惹かれた。

私は意思決定者となり得ているのか

この言葉を耳にしてから、時折、私は自分自身に問いかけるようにしている。私は「bon boyage」という挨拶をするに値する人間になれているのかと。敬意を持たれるような意思決定を出来ているのだろうかと。人生の(航海の)主人公になれているのかと。

私はこういった力のある言葉が好きだ。自分を律することができるから。これからも言葉の力を大事に、自分に、周囲に声掛けをしていきたい。「bon voyage」、よき航海をと。

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