八朔

夏だ。日本の夏だ。暑すぎる。
先日街中を歩いているときに、喉が渇いたねという話になり、
「どうする?ビールとか飲んじゃう?
それともジュースにする?」
と聞かれて
「本当にごめん。
今日は車で来てないからジュースは飲めない」
と答えたら
「なんか新しい言い方だな」と言われた。
「どーも」と少し照れ笑いすると
「褒めてないから」と言われ、
褒められていなかったことに気付く。
そして私たちは
熱々の餃子と冷え冷えのビールがあるお店に入った。

大人になっても会話はアホっぽい。
高校生くらいからあんまり変わってない気がする。
子供の頃に見ていた大人ってこんな感じだっけ?
なんか思っていたのと違う。

先日またひとつ歳を取った。
お祝いの言葉を言われるたびに
「ちょっぴり大人になりました」
と、おどけて言ってみせたが
ちょっぴりも大人になっていないような気がする。
こんなふざけた大人でいいのだろうか。

が しかし、こんなふざけた大人な私でも
最近真面目にに考えることがある。
先日友人とも真剣に話し合った。

来世は何になろうか。

小学生のときバスガイドさんになりたいと思った時期があった。
でも私はすぐ車酔いをするからダメかもしれない。

ピンクレディになりたいと思ったこともあった。
でもミーちゃんとケイちゃんみたいに
あんなに人に注目されて、
プライベートもないような世界には向いていない。

新聞記者?
取材とか行って断られたらイヤだな。
締切とかあって大変そうだし。

看護師さん。
注射とか怖い。

猫はどうだろう。
長い尻尾を左右に振りながら
優雅に高いブロック塀の上を歩く。
自分が行きたいところに行き
自分が寝たいときに寝る。
甘えたくなったら誰かに抱っこしてもらい
燃えるゴミの日を仲間たちにそっと教えてあげたりして
ちょっとだけリスペクトされちゃったりするのだ。
いいかもしれない。
だがそんなにうまくいくのだろうか。
猫の世界だって私が思うほど甘くないはずだ。

んーどうしよう。
いっそ川とか?
金魚? とんがりタワー? 四つ葉のクローバー?

全っ然決まらない。

2023年8月2日 水曜日


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