雨の日と月曜日は

1971年の歌らしい。
 
雨女の休日は安定の雨だと
からかわれながらの週明けだった。
 
思い出した歌はカーペンターズの
『雨の日と月曜日は』
子供のころに父の車の中で聴いていた。
   
雨だけどせっかくの休みだし、と思って
ベリー (愛車の名前) に乗りこんだ。
   
国道を走り目指すのは本屋さん。
 
~雨の日と月曜日は
私を憂鬱にするの~
   
雨はずっと降り続いている。
 
変な部屋の間取りばかり集めた本を見て
故郷の旅行ガイド本を見て
雑誌をパラパラとめくって
小説の立ち読みをした。
   
併設されたコーヒーショップに
未会計の本を持ち込んで読める本屋さんが増えている。
そんなことをして
本屋さんに何のメリットがあるのかはわからないが
考えてもわからないことなので考えないことにしている。
今日もそこで何冊かの本を持って
ソファでゆっくり時間を過ごす目的だったのだが
人が多くてあきらめることにした。
   
新しくできたパン屋さんにも寄りたかったが
人酔いした私はそのままベリーに乗りそこを離れた。
   
雨はずっと降り続いている。
 
どうしてもコーヒーを飲みたくて
帰りに家の近くのコーヒーショップに寄った。
   
ボーッとしていたら
静かに流れるBGMに私の心が反応した。
   
『雨の日と月曜日は』だった。
「あっ」と声が出そうになった。
今 小さな奇跡が起こった。
誰にも分かち合うことができないこの感動を
ひとりで噛み締めた。
 
窓の外を見た。
   
~雨の日と月曜日は
私を憂鬱にするの~
   
私は憂鬱ではない。
雨女は雨で憂鬱になったりしない。
 
雨はずっと降り続いている。


2017年10月2日 月曜日

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