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脾胃の養生 ~これが中心です~

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養生担当 ”のぶ” こと千葉宣貴です。

今回は脾胃の養生をお伝えします。

購読者の皆さん、宜しくお願いいたします。

はじめに

「脾」を最初に語る理由は、その他四臓の中心だからです。

いわば、司令塔です。(イニエスタです。)

イニエスタ(脾)


また養生は後天的な活動です。
そのため、気血津液の生成にかかわる脾胃を養生の中心におくことが重要です。

この記事の目標はとにかく「脾」「胃」が超大切と理解していただくことです。


脾と胃の関係性

五行色体表でいうと脾胃はともに「土」にあたります。

「土」は万物の母ですから、脾胃は各臓が機能する源です。

くわえて、陰陽・表裏関係があります。(足の太陰脾経・足の陽明胃経)

「脾は胃に合す。胃は五穀の府なり」

『霊枢』本輸篇第二

「脾は胃のために、その津液を行らしむるを主る者なり」

『素問』厥論篇第四十五


胃は水穀を消化して気血津液をつくる現場です。

そこに脾は胃に津液を送り働かせています。

つまり、脾胃はともに水穀(食べたもの)を気血津液に変えます。

ペアで考えてくださいね。


脾は『至陰』

「陰中の至陰は脾なり」

『素問』金匱真言論篇第四

脾以外の四臓は陰陽両方の性質やはたらきを併せもっているが、
脾には陰のはたらきしかないということです。

よって「陰中の至陰」と呼ばれています。

では、陽のはたらきは何が担っているか。

それが「胃」です。

<具体的な役割分担>

 → 胃に津液(腎に蔵された)を送り機能させる陰のはたらき
 → 食べたもの(水穀)を消化し気血津液を生成する陽のはたらき

このことからも脾を単独で考えるのではなく、脾胃のセットとして考える必要があります。

脾は『後天の本』 

「後天の本」というくらいですから「先天の本」があります。

それが「腎」です。

腎には先天的にもっている生命力のもとがつまっています。(腎陰・腎陽)

ただそれ単独では生命活動を担うことができないので、脾に生命力のもとを補充してもらいます。

よって 「先天の本」+「後天の本」=『生命力』 となります。


つまり、脾を支えている腎も養うことが重要と覚えておきましょう。

腎の養生例を挙げます。(補腎)

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脾と気血津液

脾胃はともに気血津液を生成します。

ここでは各々に分けて踏み込みます。

(a)脾と気

「脾気、精を散じ、上りて肺に帰す」

『素問』経脈別論篇第二十一

脾の精気(脾の気)は脾胃が生成した水穀の気(後天の精気)を全身に送るために、まずは肺(上焦)におくるということです。

これを脾の「昇清作用」といいます。

*実際に全身を栄養することは「心」のはたらきです。


(b)脾と血

「血を裹むことを主り、五臓を温める」

『難行』四十二難

脾の精気(脾の気)は血をつつみ脈外に漏れ出ないようにするということです。

それにより血が五臓を温めます。

これを脾の「統血作用」といいます。

また統血作用には血が血脈内を一定方向にすすむよう促す役割もあります。

*在宅医療現場でイメージすると、高齢者の身に覚えのない内出血冷え浮腫高血圧でしょうか。

(c)脾と津液

「脾は胃のために、その津液を行らしむるを主る者なり」

『素問』厥論篇第四十五

胃で生成された水穀の気(後天の精気)を脾の精気のはたらきによって津液を各臓腑に分配するということす。

これを脾の「運化作用」といいます。

*この一文では津液に着目していますが運化作用は気血津液すべてに関わります。

(d)脾と気血津液

脾胃がともにおこなう最大の仕事は、飲食物から水穀の気を分解吸収し気血津液を生成することです。

それを脾の「化生作用」といいます。

くわえて、脾の「運化作用」で各臓腑に生成した気血津液を各臓腑に分配します。

まさにこの作用が四臓の中心といわれる所以です。

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