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BtoBマーケティング(3):営業マネジメント支援

「営業は足で稼ぐ」ものから、マーケティング理論やフレームワークで営業活動を可視化して、営業マネジメントを仕組み化する試みは古くからなされいて、いまでは様々なSaaSベンダーが営業支援ツールとして販売・提供しています。

CRM、SFA、MAといったキーワードをお聞きなった方も多いと思います。それぞれの領域や提供する機能は各製品の進化により、かなり機能が被ってきていますが、ここでは以下のサイトに書かれた内容で一旦、話を整理して進めていきます。

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CRM: Customer Relationship Management

CRMについて、上記、記事では

CRMはCustomer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント/顧客関係管理)の略で、受注後の顧客との関係維持アップセルやクロスセルに力を発揮します。 CRMの目的は、顧客データをデータベース化し、さまざまな角度から分析したうえで、顧客との関係を向上させることです。これはLTV(Life Time Value /顧客生涯価値)という考え方に基づいています。

汎用的なCRMツールが提供される以前から、アップセルやクロスセル(前回の私のコラムでは(顧客)深堀り)、LTVといった考え方は 営業戦略の要として重要視されていました。

しかし、いま振り返ってみると戦略論やコンサルファームが唱えていた
「CRM」はもう少し広い概念でした。

アクセンチュアのCRMグループが書いた以下の書籍が1998年に発売され、当時、多くの方が読まれたかと思います。
この本では顧客セグメンテーションや顧客接点プロセスの捉え方、顧客情報から見えてくるものなどを営業戦略立案・実行に必要な検討項目を包括的にわかりやすく整理されています。いまでも、十分に示唆に富む内容ですので、管理プロセスやツール導入前にぜひ参考にしてください。

SFA: Sales Fore Automation

さて、SFAについても、同様に上記記事では

SFAはSales Force Automaition(セールス・フォース・オートメーション)の略で、「営業支援システム」のことです。主に営業が業務を効率化させるためのツールで、営業活動を視覚化することができます。

営業活動の可視化というと、営業日報で情報共有する以外は訪問件数、受注件数の数字だけでKPI管理しているケースが良くありますが、BtoBマーケティングでは契約金額が高額で折衝にも時間を要する商談が多いため、受注に至るまでの営業プロセスレベルでのパイプライン管理が重要となってきます。

国内SFAベンダーの草分けとして有名なソフトブレーン社のeセールスマネージャーでは、以下のような営業プロセス(営業ステージと呼ぶところも)が上げられています。

問い合わせ/ヒアリング/初訪問/決裁者へリーチ
提案/合意/契約

一方、SFAの世界では、Salesforceがグローバルベンダーとして有名です。
営業プロセス(商談ステージ)についても、彼ら(セールスフォース・ドットコム)自身では、以下の8つのプロセスで管理しているようで、グローバルレベルでプロセス管理をするために、ステージのクリア条件もコナレていて、もう一段、工夫されていることがわかります。

「案件の可能性があるか」
「課題の認識を(お互いに)合意しているか」
「変化に(お客様が)メリットを感じているか」
「意思決定者を含め、(お客様が)会社の問題として認識しているか」
「今後の進めかたや体制の合意はあるか」
「金銭面の合意はあるか」
「書類の取り交わし」
「受注、商談完了」

私自身も営業部隊の責任者当時、営業プロセス管理システムの導入、適用をしたことがあるのですが、どうもうまく機能しなかったのです。
いまだから理解できることですが、大規模アカウントチーム主体の組織では営業プロセス管理の考え方自体は重要となりますが、システム導入までせずとも、アカウントプランとともに、日報や週報の共有で十分、着地見込みを予想することが出来ました。

SFA導入で効果を発揮するのは、営業パーソンやチームあたり10社、営業部や事業部で100社以上、会社全体でたとえば500社以上を常に追っている場合です。
営業ステージごとの会社数・案件数を全社で把握し、受注確度の精査とともに受注計画達成のために、新規アプローチ先や見込み客開拓をどんどん増やしていくようなタイプの営業ファネル管理にその威力を発揮します。

 *大規模アカウントチームのミッションは当該顧客の深堀であり、
 製品の横展開、拡販のミッションを負っていないことが大きな違いです。

MA: Marketing Automation

最後にMAについては、以下のように定義されています。

MAはMarketing Autmation(マーケティング・オートメーション)の略で、「顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化・自動化するツール」です。MAのミッションは「欲しいと思っているユーザーを察知し、最適なタイミングでのアプローチを可能にする」ことです。

一般的にMAにおけるマーケティングプロセスは下記の3段階に分かれているそうです。 

①見込み客の獲得=リード・ジェネレーション
②見込み客の育成=リード・ナーチャリング
③見込み客の選別=リード・クオリフィケーション

日本語で書かれると営業パーソンからは、
「見込み客開拓? まず始めは飛び込み営業からだ!」
となるのですが、
始めに紹介した記事にあるように、それぞれのプロセスに「広告」「SEO」「メルマガ」「案件抽出」など、足で稼ぐ伝統的な営業には聞きなれないワードが並んでいます。

ということで、今回はこの辺で。 
この話の続きは、また次回にいたします。







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