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【ちょっと昔の世界一周】 #27.1 おまけ

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ここではバンコクを出発し乗り換えをしたヒースローでのこと、ミラノで出会った人の話です。

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バンコクを出発した飛行機はロンドン・ヒースロー空港へと無事に着いた。

時間にして12時間。

長い...

私が世界一周のルートを西回りにした理由の一つが、フライト時間。

旅のキッカケとなったアメリカへの訪問の時も長かった。

世界一周航空券は西回り・東回りを自分ぇ決められるのだが、東回りにりすると最初のフライトが太平洋を越えなければいけない。

そうなるとフライト時間が当然長くなる。

かたや私の旅のようにバンコクまでならば数時間ですむ。

旅のスタートでいきなり疲れ切って動くよりは少しでも体力を残しておきたい。

旅に慣れてくれば長いフライトも問題ないだろう。

そんなことで西回りにしたのだが、バンコク〜ミラノへ向かう便は長時間、さらに乗り換えのフライトである。

飛行機での乗り換えをしたことがなかったのだが、CAの人の話を聞き、さらにこちらからも話しかけながら確認をとり、無事にミラノ行きの飛行機を待つことができた。

今後の予定では乗り換えはないので、最初で最後の乗り換え。
何事もなく進み、一息つく。

空港ということもあり、冷房はしっかりとついている。おかげで涼しいを通り越し寒いぐらいだ。
少しでも空調が当たらない場所を探し腰を下ろす。

そうなると次はお腹が空いてくる。

何か食べようと思い、財布を見ると中にはUSドルとユーロが入っている。

前回の経験を活かし、タイを出る前にミラノに行って困らないようにドルに加えユーロも用意しておいた。

『行き先の準備をしておくなんて、なんて成長したんだろう!』

一人息巻いて食料を求めお店の前に行く。

イギリスは食事が不味いと言われているが、どんなものだろう。空港で売ってるような物は問題ないと思うが、どれどれ...

そんなことを考えながら注文をして、お会計へ。

とここで問題が、、、

お金を渡してもずっと

「No !!」

と言われる。

受け取ってもらえない。
なぜだろう?
そう思っている私に、スタッフがレジからお札を取り出す。

「£ !! No € !!」

スタッフが持っているのはイギリスポンド...
私の手にあるのはユーロ...

私は急いで両替所へと向かっていった...

そして、飛行機に乗るときには両替も使い切ることもできなかったイギリスポンドが財布の中身に加わっていた...

*****

高いとはいえミラノでの宿も決まった。

とりあえず外に出たもののどうしたものか?

何はあっても街歩きには水が必要と思い、水を売っている所を探すことにした。

歩いていると、街並みもだが道行く人もキラキラと輝いて見える。

根が暗い私からすれば、イタリアという国のイメージは私とは逆である。

見た感じ旅行者も多いが、地元の人という雰囲気の人たちも多い。

普段の外出の姿さえオシャレと感じるとは、さすがイタリア。

すれ違う人が美男美女(私の目にはほぼそう見えている)だと、何ともいえずウキウキしてくる。

『美女に声かけられたらどうしようかな〜』

陰気な男の考えることなど、こんな感じである。

想像するだけで、無駄に楽しみながらお店を探す。

すると、前から若者グループが歩いてくる。
見た感じ同い年ぐらいであろう。

先ほどの人とは違い、見下されることもなく自然と道を譲り合い通り抜ける。

すると、その中の女性が

「Ciao」

とすれ違いざまに笑顔で挨拶をしてくれた。

想像(妄想)が現実になると男は弱いものである。

「ぁぁ...Hi ...」

と力無く返すのが精一杯であった...

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