アニメやＳＦが描く世界から考える未来予測の捉え方
【今日のポイント】
アニメやＳＦの世界が実現したと見える事象に出会うことは私達も経験しますね。
このような事象が起きる理由を想像しつつ、自分たちが未来を予測して対応するのかを随時考えることは、世界と自分自身の理解を深める機会にもなるものと考える次第です。
１．アニメやＳＦが描く世界は実現する（こともある）
先月になりますが、2024/8/14の１日５分ビジネス英語に、以下のトピックスが掲載されていました。
『テレビは水晶玉：現実を予言した番組 TV’s Crystal Ball: Shows That Predicted Reality』
https://matt-english.com/podcast/20240814
米国のTV番組（『トワイライト・ゾーン』、『スタートレック』、『ザ・シンプソンズ』その他）に出てくる、数年から数十年後の出来事を予測したようなエピソードを紹介したものです。
その中には、新型コロナ（ＣＯＶＩＤパンデミック）やGoogleのスマートグラス、フェイスブック、今年の米国大統領選挙（トランプ氏とその後継者となる女性）を暗示するようなエピソードが出てきており、私としては特に、米国大統領選挙のエピソードについてはトランプ氏の名前が出ているという点からも大変驚きました。
以前、『ＳＦはこわれた時計（針式）のようなものだ。１日に２回は正確な時間を示す』というＳＦ作家（だったかと思います）の言葉を読んだことを思い出しつつ、
「アニメやＳＦが描く世界が実現することは確かにある」と改めて思った次第です。
２．未来予測はどのような形で実現するのか
上記のように、ＴＶ番組や小説が、未来を予測して当てたと見える事例については、２つの事象が関係しているかと思います。
一つには、ＴＶ番組などは、視聴者を引き付けるために、視聴者の現在の、あるいは潜在的な関心事を把握する必要があるため、人々の夢や願望、場合によっては不安や恐怖を汲み取って映像化する側面があると思います。
逆に、現在登場している、メタバースやオートジャイロ、搭載型ロボットなどは、ＳＦや映画の内容にヒントを得たり、ＳＦの世界や登場するロボットなどを実現したいという願望をもったりすることにより生れてきた側面もあります。
顧客の夢や空想をＳＮＳなどの情報も利用しつつ、映像化などでエンターテイメントに活用し、
更にそのエンターテイメントに出てくる未来を実現しようとする取り組みが、
ＡＩやデジタルツインのような予測技術の活用により、相互にサイクルを回しながら、我々の夢の実現化を加速するものと感じた次第です。
３．自社や自分の未来との向き合い方
上記のように、私達の願望や不安などを映像や小説などの形で形にする動きと、そうして形になった夢を技術開発などで実現しようとする動きの双方が組み合わさってサイクルを回していくという形で未来予測が完全ではないにせよ実現していくという面は実際にあるかと思いますが、
私達自身が、自分や自社の未来を予測する際には、
自分（自社）自身と外部環境双方の変化と相互作用を予測する必要があり、これは、特に中長期の予測においては困難が予想されます。
私が愛聴しているポッドキャストの『Coten Radio（歴史を面白く学ぶ）』（ https://coten.co.jp/services/cotenradio/ ）では、ナレーターの方が、何度か「正確な未来予測を行うことは不可能」とコメントされていましたが、
私は、この言葉は、人が関与する社会の動きは複雑系の世界であるため、データを集めても未来を正確に予測することは出来ないと意識することが必要という意味かと解釈しています。
一方で、以前のブログトピックス『私の愛聴ポッドキャストのご紹介（２）（コテンラジオ）』でもご紹介しましたように、コテンラジオでは、「メタ認知」や「歴史の構造的理解とパターン認識」を重視しており、
人や組織の行動には、複数のパターンがあって、そのどれが当てはまりそうかと考えることで、自分や自社の現在の課題と対応方法への理解を深める事が出来ることも語っていらっしゃいます。
以前のブログトピックス
『未来予測におけるフレームワークや情報源のブラッシュアップとプランBの必要性』や、
『「未来予測とプランＢ」～プランＢの立て方のヒント』でもお話した、未来予測のフレームワークや複数の選択肢（プランＢ）の確保なども意識しつつ、
現在自分が見ている事象は、過去や他業種などのどの事象のパターンに似ているかという温故知新や、自分自身の判断や行動自体を客観的に見ようとするメタ認知の視点を意識しつつ、不確実性の高い状況に対応していくことの必要性がますます高まっていると感じる次第です。
あなたは未来は予測できるとお思いでしょうか。
あるいは未来を予測するためにどのようなことを意識されているでしょうか。
【今日のまとめ】
・ＴＶ番組やＳＦ小説が予測した未来が実現したと見えることがある
・これらの現象は、番組などの制作者が人々の潜在的なものも含めた願望や不安を汲み取って制作するとい動きと、そこで映像などに具現化された未来を実現したいという願望による取り組みの双方がサイクルを回すことによって生じていると考えられる
・上記のような未来予測の実現とはべつに、自社や自身の未来を予測し、対応するためには、現在の自分と外部環境双方を過去あるいは異業種などが経験している事象から似ているパターンを探し出して当てはめてみる温故知新と、その中で自分がどのようにその事象を認識して反応（行動）しているかを客観的に把握するメタ認知の視点を意識することの双方が重要性を増していると考える次第です
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見出し画像：Gerd AltmannによるPixabayからの画像
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