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【読書感想文】父が娘に語る、経済の話。を読んで(3)

こんにちは、来週まで名古屋暮らし、絶賛日本一周中のnobotanです。

前回に引き続き「父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」について書いていきます。


◆◇◆◇◆◇


◆起業家と銀行の話
起業家は未来の自分を信じてお金を借りてくるタイムトラベラー。銀行はどこからともなくお金を生み出すツアーガイド(この例えは個人的に面白くて覚えやすいな〜と思いました)

◆銀行が落ちた穴
産業革命によって市場社会の経済が爆発的な勢いで拡大し、急激な成長を支えるために借金の額が激増しました。さらに、事業がうまくいかなくても銀行が被害を被らない方法が生まれました。そのふたつの出来事により、銀行はより利益を得ようとして黒魔術的にお金を生み出し多くのローンを売りつけるようになりました。結果、ある時点で社会全体が借金漬けになり、経済の成長が追いつかなくなり、利益を生み出しても返済しきれない状況が訪れたのです。

◆穴の先はどうなっていたのか
店や企業に閉鎖が続けば銀行は返済不能のローンを抱え込みます。すると銀行が苦しいという噂が立ち不安を抱える預金者がお金をおろし始めます。どんどんどんどんおろします。銀行にそんなお金はありません。取り付け騒ぎになり、大変なことに…。

◆では賃金を下げれば企業は楽になるのか?
答えは、ノーです。賃金を下げても経済は良くならないし雇用も増えません。逆に労働者の暮らしが苦しくなりお金を使わなくなり店や企業も苦しくなります。すると雇用も増えず、悪循環に陥ります。


◆仕事の自動化の波を超えて
ではどうすれば経済は上手くまわるのか。結局はバランスが大事。経済危機は回復の前触れであり、回復は経済危機の前触れなのです。
ギリシャ神話にこんな話があります。「ゼウスの怒りを買い巨大な岩を抱えて山頂を目指す苦行を強いられる、直前で岩は落ち何度もそれを繰り返す(シーシュポスの物語)」
市場社会も同じようにもう少しというところで叶わないことがあります、それは商品の生産から人間を排除すること。自動化でコストは下がるが競争により価格はコストを上回らなくなり、利益は最小限に留まります。さらにロボットは製品を作れても買えないので需要は下がります。多くの企業が潰れ残った企業が値上げする。事業が上向きになる。機械を買うより人を雇う方が安くなる。結果、人の労働力の需要が高まる。


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まずもって何も無いところから湯水のようにお金が出てくるのが問題な気がします…(今は水も白湯もコンビニで売られてる時代ですが)

…が、そうではなく、本当にバランスが大切な世界なんだなと思いました。どちらか一方が利益を得る形ではもう一方は落ちてしまう。するとバランスが崩れ経済全体が悪い方向に進む。
店や企業の売り上げを上げるためには消費者にお金が必要。そのためには賃金を上げる必要がある。そのためには店や企業にお金が必要。そのためには…と堂々巡りしてしまうからどこかで政府の介入が必要なのかな。

子供みたいな感想になってしまったけど考えることが大切…ということで無問題!
個人的に自動化の波はウェルカムだったので悪い意味では見てなかったけど、結果的に人の労働力の需要が下がりきらないという見通しは安心に感じる人も多いのではないかと思った。


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