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【日記公開】お孫さんの靴

「おじいちゃん!こんど、運動会があるんだ・・・」
「そうかッ!」
「ボク!運動靴がほしいナァ~」
「買ってあげよう!」

先日、知人のトラックドライバーさんと話していたら、可愛いお孫さんとの話が飛び出した。友人たちは、いつも口をそろえて、孫は可愛いんだからといっている。だから、孫のいない やまのぼ は、興味津々である。

「いくらしたと思う?」トラドラさんは、急にこちらに、靴の値段を問うてきた。やまのぼ は、前後の話しの流れから・・・高価なんだと直感した。

「三千円ぐらい?かなァ?」やまのぼ は、当てずっぽうに弱々しく応えた。

すると、

「こんな15~16センチのスニーカーがよッ!五千八百円でッ!消費税を入れたら六千円を超えちまうんだから・・・」トラドラさんは、両手で10本の指を総動員して、何度もお孫さんの靴の形をつくりながら驚いてみせた。

「六千円だって!・・・」やまのぼ も、六千円?だって?六千円?だってと、子どもの小さな靴を想像しながら、何度も繰り返していた。

「ワシら、スーパー○○○で、千円何がしかの運動靴をもう~5年以上履いてるけどねェ~」トラドラさんは、安売りで有名なスーパーの名前を言いつつ、自虐的な話で締めくくった。

ところで、その六千いくらかのスニーカーを、お孫さんに買ってあげたのかどうかは、聞き漏らしてしまった。が、間違いなく買ってあげたのだろう。

爆音を轟かせ去って行くトラックを見送りながら、やまのぼ なら、六千円もする靴は、孫といえども買ってあげないだろう!と思い、己が誇り高き吝嗇家であることに、ひとりで苦笑していた。

それは、多分!孫の可愛さ加減を、まだ知らないからだろう・・・。



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