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【やまのぼエッセイ No.4】やがて、日本人がいなくなる!?

 先日、久しぶりに友人Y君に逢った。

 ここ2年ほど、音信不通の41歳の次男のことを話してくれた。電話はもちろん、メールをしても、一切返答がないらしい。東京の有名M大の法学部まで出て、大手S社のトラックドライバーで苦労しているらしい。

 Y君の猛烈な反対を押し切って、本人は他人と話すのが苦手だから、しょうに合っていると、トラックドライバーを選択したと聞いたことがあった。

 普段は寡黙の癖に、結婚は早かった。Y君はオレに似たんだと苦笑していた。でも、3年前に離婚したそうだ。

 そのとき、別れてからも、お相手がマンションを出て行かず、1年近く、同居しているのに、ごうやしたY君。申し入れを箇条書きした書面で、彼女を叩き出したらしい。

  私は瞬時にY君を、しゃしゃり出過ぎ!の親バカだ!と思ったが、もちろん口には出さなかった。

「その時の恨みつらみがあるんだか?」

 Y君は、深い悔恨のため息をついた。でも、なんせ、音信不通なので、皆目その真相は闇の中だと、Y君は顔を曇らせ、今にも泣き出しそうだった。

 あのとき、娘しか育てたことのない私に、アドバイスするすべが見つからなかった。

「でも、いい大人の男だ。必要なら、息子さんから連絡してくるだろう!」

 Y君には、そう慰めの言葉をかけて別れた。

 そういえば、離婚率は年々増加傾向にあるとのこと。それ以上に、深刻なのは、結婚しない若者が増え、少子高齢化が進んでいることだ。

 日本の人口は、2004年をピークに、2050年には1億人を切ってしまうとか。そのうちの40パーセントが、高齢者になるとの予測もある。

 労働人口が人口の半分にまで落ち込んでしまうとも予想されているのだ。

 いまさら、遅いと言われながらも、具体的な手を打たなければ、国力の弱体化を招くなどと、他人事のように悠長ゆうちょうなことを言っておれない。

 それこそ、わが日本国の存在自体が怪しくなってくる。

 この際、新生児一人当たり、ポン!と100万円支給!ぐらいな、大胆な政策を、真面目に考えるところまで来ていると思う。

 

 


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