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【人間観察】受動喫煙の本当の怖さ

先日、急用で出かけた折のことだ。

寒空のもと、某駅前のバス停でバス待ちすることになった。その駅前のロータリーには、客待ちのタクシーが列をなして並んでいる。

不景気感を助長する風景だ。眺めていたら、その一台から、タクシードライバーが降りて来て、マスクを顎に引っ掛け、タバコに火をつけ紫煙を燻らし始めたのだ。

それは、女性だった。最近、女性タクシードライバーが増えてきているし、女性の喫煙率もそこそこあることも承知はしているのだが・・・。

その女性は、マナーを誇示するがごとく、携帯用マイ灰皿を取り出した。車中で喫煙すれば、残り香を乗客に敬遠されるから、寒空のもとの喫煙となったのだろう。

それは、それでヨシ!とする。でも、チッと待った!なのだ。
今一度、受動喫煙の定義を思い出してほしい。

タバコの煙には、喫煙者が吸う側から出てくる「主流煙」、火のついたタバコの先から出てくる「副流煙」、そして、喫煙者が吐き出す「呼出煙」の3つがある。

受動喫煙とは、この「副流煙「」や「呼出煙「」を吸ってしまうことをいう。なかなか来ぬバスを列をなして待つ人々は、彼女が吐き出す、それらの「有害物質」から、逃げることもできず、無理やり吸わされることになる。

特に副流煙は、主流煙に比べて、発ガン性物質やニコチン、一酸化炭素などといった有害物質が、数倍も多く含まれていることを、彼女はご存知なのだろうか?

では、近くで吸わなければいいというのだろうか?

さにあらず!

タバコを吸い終わったあとも、20~30分は、目には見えない煙の成分が、呼気から出つづけているそうだ。あの後、彼女の車にすぐ乗った客は、目に見えない有害物質を、大量に吸わされることになる。

本当の怖さはここにある!

また、最近の研究では、喫煙者の手や髪の毛や、服にも有害成分が付着しているとする、「三次喫煙」という考え方まで出ている。

携帯用マイ灰皿には、「単なるオシャレ」の価値ぐらいしかない。タバコを吸うのは、確かに個人の自由で、納税貢献者でもある。だが、マナーさえ守れば嗜好品なんだからと、すましてはおれない。

コロナウイルス防御のマスクは、受動喫煙のバリヤーにもなるのだろうか?



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