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まるで催眠術のように。

バラエティ番組の企画で、催眠術を見たことがある。見るからに胡散臭い催眠術師を名乗る(たいてい)男性が、スタジオの芸能人に向かって何やら不思議な所作を見せ、その世界へと誘う。すると相手は動物になったり、苦手だったものが食べられるようになったり、とりあえず画面の向こうでそれは成立していた。

僕自身が事実として信じるかどうかはさておき、どうやら催眠術には「かかりやすい人」がいるらしい。すなわち「かかりにくい人」の存在を、その個人差を認めているということであり、催眠術にかかりやすい人は「信じやすい人」だと聞いた。たとえば動物になる自分を、苦手だったものが食べられるようになる自分を、まっすぐ信じられる人。「本当にかかるのかよ」「どんな理屈なんだよ」などと斜に構えるような人は、なかなか難しいのではないかと解釈している。

ふと、きょうXを見ていたら「知人からのアドバイスのおかげでいろいろなことが吹っ切れた。ありがとう」とポストしている人がいた。ある意味、催眠術のようだと思った。

たしかにきっかけとしてのアドバイスをくれたのは、その知人だったのかもしれない。しかしながら、自らにどこか心当たりがあったのか、はたまた言葉の主との関係性からか、信じられる成分があったからこそだろう。極端に言えばすべての言葉を信じられる人などいないはずで、結局自分が信じたそのときに思考が変わり、言動が変わり、人生が変わっていく。日常の中のコミュニケーションにも、催眠術は隠されていたのかもしれない。いやひょっとしたら、その人間の本質的な部分を、催眠術は体系化したものだとも捉えられるのかもしれない。

いつもいつもありがとうございます〜。