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医師と僧侶のカケコミ相談室 第17回 身近な人のためにできることは?

脳神経外科医の道下将太郎と、京都「両足院」副住職の伊藤東凌が、みなさんからのお悩み・質問・疑問へ回答する「医師と僧侶のカケコミ相談室」。
カケコミをはじめた経緯、無料公開のQ&Aはこちらです!

9月後半、秋といえば行楽シーズン、スポーツの秋。とはいえ、まだ暑い!最高気温が少しずつ下がっているとはいえ、9月いっぱいは夏と認識して暑さ対策をしたほうが良さそうですね。

そんな中でも小学校では運動会の練習がスタート。3年生の娘は「リレーの選手になりたい!」という目標へ向かって特訓中のようです。休み時間に、足が速い友達に走り方を教えてもらっているとか。「今日もがんばったよ!」と笑顔で帰宅する様子に、母も嬉しくなります。

運動会のように、チームで力を合わせて目標に向かっていくことが、人間は本能的に好きなのでしょうか。オリンピックもサッカーワールドカップも世界的な一大イベントで、チーム一丸となって努力する姿に感動を覚える人は多いですね。個人競技であっても、コーチやトレーナー、選手を支える人たちと二人三脚で歩んできたからこそ、大きな結果が残せるのでしょう。

私は子どもの頃からチームプレイが苦手で、1人で本を読んだり妄想にふけっているのが好きなタイプでしたが、それでも「共同行為」をする対象は必ずある、という東凌さんの言葉にハッ!としました。
今週のアプリ「InTrip」では、共同体意識、共同行為とは?というテーマの記事を配信しています。共同行為というと「誰かと一緒に何かをすること」だと思いますが、共同行為をする対象はモノや自然でもいい。私たちは何かをするとき完全に1人だということはなく、必ずなにかと繋がっている、というお話です。

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1人で本を読んでいるときは、本そのものと、本の著者とも繋がっている。山の中を1人で走っているときは、木々や鳥、虫たちの意識と繋がっているような感覚になります。1人のようで、1人ではない。いつも繋がりの中で生きていると思うと、大きな安心感とやすらぎを感じられます。

自然との共同行為をするために山へ行く、と考えるとじんわりします

みなさんは何をしているとき、どんな対象と一体感を感じ、心地良くなるでしょうか。

今週のQ&Aでは、「人の役に立つ仕事をしたいが、本当に意味のあることをしているのか自信が無い」というお悩みに東凌さんが答えていますが、お悩み解消のカギは、共同体意識や繋がりを感じられるか、ということのようです。それでは、今週も4つのQ&Aをお楽しみください!


Q1 人や社会の役に立つ仕事をしたいと思い、複数の資格取得など努力していますが、成果が出ず本当に意味のあることをしているのか自信を無くしています。仕事とは何のためにするのか、本質を見失いそうです。

Q2
40代、3人の女の子の母親です。次女は気が強く、私と衝突することがしばしば。次女だけがかわいいと思えないことがあり、そっけない態度をとってしまい母親失格と落ち込みます。親子関係を良くしたいです。

Q3
45歳を過ぎ、肌のたるみや体型の変化が気になり始めました。見た目年齢に差が出てくる年頃ですが、どのようなケアをしたら良いのか教えてほしいです。

Q4
子どもの頃のトラウマを手放すのに「インナーチャイルド」 を癒した方がいいという本を読みました。子ども時代のトラウマに心当たりがあるのですが、インナーチャイルドを癒すというのは効果があるのでしょうか?



Q1
人や社会の役に立つ仕事をしたいと思い、複数の資格取得など努力していますが、成果が出ず本当に意味のあることをしているのか自信を無くしています。仕事とは何のためにするのか、本質を見失いそうです。

A1
「身近な人たちのために何ができるか考えてください」東凌

人や社会の役に立つ仕事をしたいと努力されていること、素晴らしいことですね。その思いを実現するために確認して頂きたいのが、「役に立ちたいと思う人の顔が見えているか?」ということです。

「人や社会」というと、漠然としています。まずは具体的に、誰のために何がしたいのか考えてみましょう。そして、その人たちがあなたが仕事をすることで喜んでいる様子を想像してみてください。
働くという言葉の語源は、「傍(はた)を楽にする」だという説があります。はたとはそばにいる人のことで、そばにいる人を楽にするために働くという意味です。そう考えてみると自然とやりがいが湧いてきますし、何のために働くのか再認識できるでしょう。

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