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コスパを良くしたいのなら、死ねばいい。

先日、YouTubeを見ていたら、この言葉に出会った。

成田悠輔さんが、自分の人生を変えた本を紹介する動画内で発していた言葉だ。
今の時代に本屋さんを利用することの意味を問われた際に、ブラックジョークのような感覚で言ったものだと理解している。
真に受けると、賛否両論ありそうな発言だが、
私個人的には、なるほどなぁ、と思える言葉だった。

私は結構、無駄が好きだ。

例えば、直近だと、転職活動で履歴書を書く。
今の時代、ネットで適当なテンプレをダウンロードし、編集してぱぱっと提出するのが主流なのかもしれないが、私はあえてペンで書く。その方が、文字から滲みでる人間性や、企業に対する想いが伝わる気がするからだ。

電車の乗り換えは、時間があれば一番安いルートを選ぶ。
勿論、休職中の身で倹約したいということもあるが、電車に費やす時間を無駄だと思ったことはない。窓の外を眺めて景色や空を楽しむのが好きだし、電車という異空間でアイデアが浮かんだり、作業に集中できたりする。

そして、本屋さんも好きだ。
Amazonで電子書籍を買うこともあるけど、本屋さんで感じられる新書のにおいや本との出会いが好きだ。あと、ときどき文房具売り場で見かける老夫婦の会話なんかも、なんだか微笑ましい。

無駄をすることで出逢える、「オマケ」のようなものが好きなのだと思う。
そういうちょっとした気づきが、心のコップを少し満たしてくれる感じがするのだ。

休職中の身ではあるが、一応IT企業に在籍している。
新卒で入社した会社で、今年で4年目だが、ずっと何だか分からない違和感を感じていた。

クライアントから依頼を受け、アプリやシステムの受託開発をするのだが、クライアントの期待以上に応えたいとか、ユーザーに喜んでもらいたい、という感覚は全くない。そういうので仕事の成果が出たり、評価されるのだとは分かってはいるが、アイデアすら出てこない。上司に相談した際は、もっと日常的にアプリとかをユーザー視点で使ってみるのが良い、と言われたが、そもそもアプリとか興味ないなぁと思っている自分がいた。

正直、新卒でNNTだった私が、焦って入社を決めた会社だったから、違和感に薄々気づいてはいたが、分からないフリをして自分を納得させてきたのかもしれない。

「コスパを良くしたいのなら、死ねばいい。」

この言葉を聞いて、私の中でズドーンと落ちてきたものがあった。
そもそも私は今以上の「便利」を別に求めていない、ということだ。
だから、仕事は頑張りたいのに頑張る理由が特になかった。それが苦しかった。
世の中の便利を追い求めるために私が生きる人生の時間を使うことに、何も価値を感じなかったのだ。
そのことを言語化してくれたのが、まさにこの言葉だった。

コスパとか、タイパとか、色々言われている世の中だが、やっぱり私は無駄を抱きしめたい。自分にとって、意味があるものだからだ。
意味がある無駄は、無駄とは呼ばないのかもしれない。そもそも、無駄の定義なんか誰が決めたのだろう。
「こだわり」とか、「熱中」とか、そんな言葉に置き換えてみたらどうだろう。

少しは可愛がれそうだ。




冒頭に紹介した動画はこちら ↓

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