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美しい味を追求する

とある農業サイトの記事で、
小田原でレモン農家になった若い女性の話が取り上げられていました。

なぜ農家になったのか。
これからどのような農家を目指していくのか。

彼女の葛藤が織り交ぜられながら、
今までとこれからのストーリーが書かれていました。

記事やSNSを見ると、
かなりバイタリティーに溢れる方で、
農業系のFCサイトのインターン生として働いていたところから、
学生時代に様々な人的ネットワーク築き、
農家を目指すようになってからも、
小田原の農家さんに頼み込んで研修を積んでいました。

農家になってからも、
夏の暑さや収穫物の運搬、虫刺されや軽トラが廃車になりながらも、
負けずに頑張っていました。

彼女と同じことをする必要はないですし、
自分に合ったやり方で農に携わることが大事だと思っています。

自分は、彼女のようなバイタリティーはありませんが、
目指したい未来や見据えていることは近いものがありました。

農業人口を増やすことや
たくさんの人に気軽に農園に足を運んでもらうこと。

アプローチの方法は違いますが、
勝手に農を普及させていく同士だと思って、
記事を読んでいました。

彼女は、農家の人口を増やすことや、
耕作放棄地をなくすことを目標に掲げていましたが、
自分は、農を暮らしに取り入れてもらうことをしたくて、
少しでも自然と繋がり、地球環境に目を向けてもらい、
宇宙規模で、より大きな領域を考えていきたいと思っています。

宇宙規模で考えた時に、
人間では到底作れない、
美しい天然の水や石、土があり、
その上で人は活動を続けています。

あらゆる自然に目を向けたときに、
宇宙の壮大さが胸に飛び込んでくるのです。

これは、農業をしていなくても、
感じられることであって、
たった一杯のコーヒーの美しさと同じものであると思っています。

また、人の身体にも美しさが感じられて、
「歩く」という行為にも美しさはあります。

どれだけ自然に近づけたか、
そのものが本来持っている状態、
理想の状態を生み出せるかが、
美しさを決める物差しになると思います。

「美しさ」というのが自分の中の基準としてあって、
どの世界にも、突き詰めた先に美しさがあると思っています。

美しさを感じたいと思う心が、
美しさを生み出す身体に変わっていき、
美しい身体が動くことで、
美しいものが生み出されます。

ですから、極論を言うと、
美味しい野菜を作ろうと思ったら、
美しいと感じる心、
もっと言うと、美しさを感じたいと思う心を養う必要があります。

美の感性を養っていくのです。

自分は、休みがあれば、
美術館や博物館に行くことがありますが、
それは、美の感覚を養って、畑につなげたいという思いがあります。

「美味しい」という言葉は、
美しい味と書きます。

この「美しい」とは何だろうか?

そう自問自答する日々ですが、
一つの答えが、美しいものを感じようとする心にあると思っています。

美術館には、人が作った美しい絵や工芸品が飾られていて、
博物館には、自然が生み出した美があります。

両方とも大事な要素であり、
自然を美しいと感じる心と、
美しいものをつくりたいと思う心が融合したときに、
美味しい野菜を作ることができます。

畢竟、美味しい野菜が作りたいのです。

それは、どの農家さんとも変わらない共通の思いです。

そして、美味しい野菜を作りたいと思ってくれる人が増えたら嬉しいと思います。

それでは、また!


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