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物語を書く上で気を付けていること

をいいねの数だけ答える的なタグが流行ってたので
つい語ってみたくなっちゃったんだ!ってやつ
最近は小説というより声劇(ボイスドラマ)台本、およびチャットノベル的なものを書くことが中心なので、そっち方面での内容になります。
また、

  • 物語を考える上で気を付けていること

  • 物語を形に(声劇台本に or チャットノベルに)するときに気を付けていること

で別れる気がしたので、そういうジャンル分けをします。
水源と蛇口の関係ですね!

なお、もちろん俺自身が意図して破っていることもありますので、ケースバイケースです。


物語を考える上で気を付けていること

テーマを見失わない

自分は「なにかひとつテーマ(切欠)を基準にし、そこから話を膨らませる」という書き方をしています。そのため、そのテーマから大きく話がブレないようにする、というのはおそらく無意識のうちに意識している(??)と思います。

ただ自分のテーマの決め方は千差万別であり、例えば以下のようなものがあります。

  • こういうストーリーの話が書きたい

  • こういう設定のキャラクターが活躍する話が書きたい

  • このイラストに話を付けたい

  • こういうキーワードがあったから、そこから話を膨らませたい

  • このBGMに似合う話を考えたい

  • お題が渡された!!!考えたろ!!!

  • 条件が渡された(文字数やキャラクター人数など)!!考えたろ!!

「話を考えるときはキャラクターから?それともストーリーから?」という質問をされたりしますが「どっちでもないなあ……」と答えたりしており、理由は上記の通り(どちらでもいけるから)です


本筋に関係ない設定で無駄に頭を悩ませない

「場合による!!!」って話なんですけども、
また、何だったら設定はあればあるだけよいと思ってますけども、
ここで言いたいのは「本編に使用しない設定考えて筆が止まるぐらいなら一旦置いとけ」程度のものです。
例えば誕生日や血液型、好きな食べ物や趣味、場合によっては名前も不要と考えることすらあります。
別作品から具体例出すとしたら「バラティエでサンジがギンに対して与えたピラフに使用されている米の産地となる島とその気候、およびバラティエまでの流通経路」とかそういう話です。そんな設定無くてもバラティエ編クソ面白いじゃん?

ただこれは主に短編を考えるときであり、
シリーズものや長編を考えるときには、ネタ出しに困った時とかによく検討したりしてます。

あと、キャラクター設定自体を詰める行為自体は大好きです
(大好きだからこそほどほどにしておけということなんだけども)


なぜなぜ分析をする

トヨタという会社では、トラブルなどが発生した際に「なぜなぜ分析」というものをするらしいです。
厳密な手法などはあると思いますが、要するに「なぜ?」と3回~5回ほど繰り返し、問題の本質を探る、という手法です。

ここでは「とりあえず考えた設定や展開」に対して「なぜ?」と自問自答し、それをもとに設定の矛盾点を無くしたり、行動に明確な意味を持たせたりすることで物語に深みを与えるようにする、という感じです。

適当に例を挙げるとすれば「鬼退治に行く」→なぜ?→「鬼が村の金銀財宝を奪っていったから」→なぜ?→「鬼は……なんか……光り物が好きだから……?」→なぜ?→「えっと……」みたいな。

まあできればできるだけ設定が深まるし、矛盾点を解消できるし、深めた設定が上手く行かなさそうな時に方針転換したりとかもできるし、便利な考え方ではあります。
ただしやりすぎて話が先に進まないようであれば、ほどほどにして切り上げるというのも大事です。

ちなみにビジネス現場で(トラブル発生時に)なぜなぜ分析をする際の注意事項として「人を原因にしない」というものがあります。
「俺が……不注意だったから……」「俺が……馬鹿だから……!!」は本質ではありません。原因「うっかりしていた」対策「しっかりする」では何も解決しないのです。


「作品を通じて作者が伝えたい事」を意識しない

これも賛否両論あると思います。で、多分あった方が良いものだとは思っています。でもなんかこう、なんというか、俺がそれをやると堅苦しくなっちゃって……あとキャラクターが作者の代弁にしかならなくなっちゃうので、それも嫌だなあと。このあたりは技術の問題なのかもしれないですが。

作者が伝えたいテーマベースで物語を構築する場合は勿論その限りではないですが、例えばコメディの作品を書くときに伝えたいテーマとか考えないじゃないですか。「読んで聞いて、面白ければそれで良し!」です。
あとはまあ極端な話をするなら「戦争賛美」をテーマにしたものを書きつつ「戦争反対」をテーマにしたものを書きつつとかして「作者は結局どっちが言いたいんだ」とか言われても困るじゃないですか。テーマにそれを選んだだけであり、作者自身の意図はまた別のところにあります!という話です。

ただ自分の作品を読んで何かを感じ取ってもらうことは全然OKです。たぶん作者の人そこまで考えてないと思うけど……


登場人物にはできるだけ差をつける

読み手、聞き手が混乱しないように、登場人物は出来るだけ明確な差を付けます。

  • 性別

  • 性格

    • ざっくりとハイ or ローぐらいの差

    • 人数が増えたらもう少し分ける

    • 表面のハイ/ロー、内面のハイ/ローで分けたりもする

  • 口調、口癖、一人称および語尾

  • 得意分野(バトル物なら戦闘スタイルとか)

絵を使用できる媒体(漫画、アニメ、ノベルゲーム)であればあまり気にしなくても良いのかもしれないので蛇口依存の話かもしれません。
「全員クールで無口なキャラ」とかいう世界観にして「今誰が喋った!?」みたいになるのは極力避けたいという話です。書き分ける技術が無いので


読者が理解できない行動をさせるのは可能な限り避ける

「あまりにもツッコミどころがあるもの」に限ります。
なるべくすべての行動には理由があり、あるいは「このキャラクターならそういうことするよね」ということが分かるような表現をするように意識はします。
ただ「理由はない……理由はないし状況から間違いなく他の選択肢を取った方が確実……だが……展開上こういう動きをさせなければかっこよくない……!!」と言う時に理由なく行動させそうになることはあります。ちょっと頑張って理由を考えていきたいとは思います。

ただコメディの場合は割とバカなことを理由なくやってたりします。


なんか詰まった時は「本編に関係ない日常生活」を考える

キャラクターや舞台設定を詰めるときにやると便利な手法です。
その世界で「生きている」キャラクターたちは、本編に関わらないところで日常生活を送っている(送ってきた)はずなので、その日常生活を1週間とか1ヵ月とか想像してみることで、それまで見えてこなかったキャラクター像や舞台設定などが見えてくるようになり、場合によっては新しい展開を生み出すこともできるようになります。

例えば学園ものでは。主人公は学生で、つまり学業があり、友人が(多分)いて、登校して下校し、通学路には何があり、家に帰ると誰が居て、夜ごはんは何が出てきて、学校の昼食は何で、家に帰ったらどういう流れで就寝まで過ごし、朝は何時にどうやって起き、朝ご飯は、休日の過ごし方は、友人とはどういう会話をしてどういう遊びをするのか。

ファンタジーであれば。主人公は冒険者で、働く日はギルドへ生き、ギルドの依頼内容を見て、依頼内容にはどういうものが並んでいて、主人公はどういうものを受けるのが好きで、山へ行くのか川へ行くのか、そこまでの道のりはどうなっているのか、川があるなら橋はあるのか、川の向こう側はどういう地域なのか、山の向こうは? 山や川には何が住んでいるのか? 街中にはどういう施設があって、働かない日はどういう所で過ごしているのか?冒険者じゃない人はその世界でどうやって生計を立てているのか? どういう技術が発達していて、その技術はどこから生まれたものなのか? その技術に使用されている要素はどこから提供されているのか?

ウッフーゥ! たーのしーぃ! 頭パンクしちゃう!! そういうの考えるの大好き!!
考えすぎちゃって本編の筆が止まるのもアレなのでほどほどにね!!


声劇台本にするときに気を付けていること

ターゲットを間違えない

声劇台本のターゲットは「聞き手」です。「読み手」ではありません。

声劇やボイスドラマは「それを読んで(収録して)もらって初めて完成」となるものであり、声劇台本はあくまで「中間成果物」です。
料理で例えるなら声劇台本は「料理のレシピ」であり、それをもとに役者ら「素材」および演技という「調理」という工程を経て、ボイスドラマという「料理」となって、聞き手である「食べる人」に振る舞われるわけです。

もちろん読んでもらわなければ始まらないため、読み手が読みやすいとか演じてて楽しいとかそういう所に気を遣うのも大事なことだとは思いますが、それを注視しすぎて聞く人をおざなりにしてしまうと本末転倒です。

もうちょい言うなら「ライバルの書き手」もターゲットじゃないです。


声劇(ボイスドラマ)は音楽だ!

暴論!!
まあでも音声作品である以上近い所はあると思っていて、そうなると大事なのは「文章を読んだ(聞いた)時のリズム感」になります。
聞いててリズム良く話が進むならそれは聞きやすいだろうし、逆にリズムに乗り切れない言葉の区切りをされたりするとちょっと聞きづらくなったりします。

多分4/4が一番聞きやすいんだろうな、という所を考えると
文章の音の数を4n±1にするよう意識すると割と聞きやすくなるんじゃないかと思っています。また日本人は5文字と7文字は結構馴染みのある文字数なので、そのあたりを意識しても聞きやすくなるのではないかと思います。

とはいえリズム感とか好きなリズムとか人それぞれじゃろがいというのもよくわかりますし、自分自身「なんか読みにくいな?」と思ったものに対しては「音楽性の違い」という表現をしたりしています。


登場人物に名前がある場合、理由が無ければ即呼ぶ

もう登場時にまず名前を呼ばせるか、あるいは自己紹介します。
前提として「聞き手の手元には台本は無い」ということを意識しましょう。たとえ立派な名前があっても、本編で一度も呼ばれないなら名無しの村人Aと同じ扱いです。ましてや物語の中盤や終盤で特に意味も無く名前が突然呼ばれるなんて話になったら「えっ、誰?」となってしまい、ちょっと意識がそっちに引っ張られてしまいます。もったいない。
なので、「名前自体にギミックが仕込まれている場合」や「名前を呼んでもらうこと自体がイベントになっている場合」などを除き、新しくキャラクターが登場し、その人に名前があるのであればもう即呼びましょう。即です。遅くても30秒以内です。


登場人物の名前の先頭文字は、母音と子音は極力重ねない

例えば「サムス」がいたなら、他の登場人物は「ア列(アカサタナ……)」および「サ行(サシスセソ)」で始まる名前にしないという縛りです。

  • ×「ナージャ」(「ナ」がア列のため)

  • ×「スルメ」(「ス」がサ行のため)

  • ○「ムーラン」

口に出したうえで聞いてみると、意外と誰のことを言っているか分からなくなっちゃうものなので。

登場人物が増えてくるとどうしても難しい所はありますが、

  • 子音被りは許す

  • 発声が似ている母音じゃなければ許す

    • アカタラから一つ、サハから一つ、ナマヤワから一つ、みたいな感じ

という方向で緩くしていきます。逆に厳しくするなら

  • 2文字目も同様の意識をする

    • せめて母音は被らないようにする

  • 最後の文字も同様の意識をする

    • せめて母音は被らないようにする

  • 音の数もバラつきを持たせる

という所も意識できたらしていくと良いのかなと思います。

もう一度言いますが「声に出して名前を呼んだ場合、聞き手が名前で混乱しないようにすること」が意図となります。

手元のシナリオで言うなら「クローネ」「ララ」「ギド」「メザリー」「ソフィア」「アルス」とか、「ペチット」「アンタム」「ブッケニー」「ドスパス」「キロキロ」とかは頑張った方です。
「タケル」「エリカ」「イズミ」「スナオ」も頑張った方ですが、音の数が全部一緒なのでちょっとわかりづらくなっちゃいましたねコレは。
一方で「緒方」「轟」「大清水」はテーマの関係で母音子音が被ってしまいましたが、その分音の数を変えることでキャラ名が確立した例になるかなと思っています。


別にキャラに名前がある必要がない場合、決めなくても良い

俺がキャラクターの事を舞台装置としか考えていない最たる要素。10分程度の作品の時によくやります。ここまで名前について熱く語っていたのに!
「このキャラクターたちは名前で呼ぶ仲である方が正しい関係性だな」とか「名前があった方が会話させやすいな」とかであれば名前を付けますが、例えば客と店員とか、「先輩!」としか呼ばれない人とか、「名前が登場しなくても物語に何も影響がない人たち」に対する名前は無理して付ける必要はないと思っています。

下手に名前があると「名前を憶えておくリソース」が必要になっちゃうじゃないですか。せっかくならそのリソースもフルに使って話を楽しんでもらいたいじゃないですか。


中卒までで読める文字を使う

たまーに「オラッ孕め!(漢検準一級)」とかでも普通に読めたりする感じがあったりするかもしれませんが(※書いたことないです)(※書いたことないってば)、基本的にはおおよそ中卒までで読めるような文字、漢字を使用するようにしています。しているつもりです。
勿論(読めそうな気がするけど読めない人も居そう)、所謂(場合により読めない可能性が出てくる)、揺蕩う(こまった……ちょっとむずかしい……)とかそういうアレです。
逆にひらがなばかりになってしまい読みづらい時なんかは仕方なく使う時もあります。そういう時は極力ルビを振るようにしてます。


聞いていて情景を思い浮かべやすい表現を使う

小説の地の文であれば詩的な表現をガンガンに使用してもよいとは思いますが、それを聞いている相手がすぐに理解して情景を思い浮かべられるかということを考えると、なるだけシンプルな表現を使っていく方が優しいと思っています。
多分これも「中卒までで」ということになるんだと思います。


「簡単には戻れない」ということを意識する

小説や漫画みたいに「ん?」となった時にすぐに前のページに戻ったりできないのが声劇やボイスドラマです。
なので「ん?」と思われない、思わせないような表現や展開にすることが重要かと思っています。
「小難しい言い回しをしない」「頻繁なシーンジャンプをしない」といった感じのものです。


チャットノベルにするときに気を付けていること

改行は「息継ぎ」「感情や会話相手の切り替わり」あたりを意識する

チャットノベル(タップノベル)は、タップして次の文に進む形式になっています。また、改行すると吹き出しの単位が変わってしまうため、長文になると少し読みづらくなってしまう所があります。
なるだけ長文を読みやすくするために、句点(。)や息継ぎさせたい箇所、感情や会話相手が切り替わる場所(独り言から相手に向かって話す、など)、および会話内容の意味が似たようなものでひとくくりにする(挨拶→自己紹介→質問、みたいな)、および決め台詞や強調したい文の前のタメ、という形で、できるだけ「タップして読んでも違和感がない」または「タップして次の文を読んだ時に面白い」という所を意識して改行しています。


下手な空行を挟まない

間を取りたいのは分かるけど、間は読者が勝手にタップする時に取ってくれる(と信じてる)ので……。
「タップして次の行が出る」という仕組みに置いて、空行は「読者のタイミングで次の行が読みたい時にリズムやタイミングをスカされる」「タップミスしたかな?って思ってしまう」というデメリットがあるため極力使用しないに越したことはないです。
どうしても場面転換などで間を取りたいなら、地の文で「一方──」とか「* * *」とか、いっそ「間」とか入れたほうが、空行よりよほど意味のある書き方です。


まとめ

とりあえず浮かんだものをもりもり書いてみました。出来てる出来ていないは二の次です
もしかしたらコレを書いた後に「あっそういえばアレもコレも」というのもガンガン出てくると思うので、そのあたりはおいおい追記していこうかなと思います。

めっさ長文になりましたが、ここまで読んでいただいた方の何かしらの助けになれば幸いです。

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