記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

『My Humanity』長谷敏司(著)

擬似神経制御言語ITPによる経験伝達と個人の文化的背景との相克を描く「地には豊穣」、ITPによる小児性愛者の矯正がグロテスクな結末を導く「allo,toi,toi」――長篇『あなたのための物語』と同設定の2篇にくわえ、軌道ステーションで起きたテロの顛末にして長篇『BEATLESS』のスピンオフ「Hollow Vision」、自己増殖ナノマシン禍に対峙する研究者を描いた書き下ろし「父たちの時間」の全4篇を収録した著者初の作品集

陰鬱ナルシスティックSF。同じような心理描写が延々と繰り返されストレスだった。SFアイデアは好きなのだが、小説として嫌い。

社会ではなく人間の内面を掘り下げる。基本的に、物事が解決されず、主人公が鬱々とキレてるだけ。エンタメ度はほぼゼロ。主人公・ヒロインが死んで終わる小説などが好きな人にはおすすめ。

以前『あなたのための物語』を読んだときも嫌いだわぁと思ったが、同じ作者と知らずに読んでしまった。失敗。なまじSF部分が良いだけに全部読んでしまう。

「地には豊穣」「allo,toi,toi」

記憶や性格をナノマシンでコピーできる世界のお話。その技術で文化はどうなるか、と、幼児性愛の治療に使う話。悪い面を暗く描くディストピア物。主人公たちはまず鬱病の治療を受けたほうが良い。

「Hollow Vision」

海賊 VS エージェント エンタメ要素があり楽しめた。ラスト、スカした主人公が無様で良い。人間の無価値さがしみじみと伝わる。

父たちの時間

グレイ・グーかと思ったらゴジラだった。ナノテクがあるのに医者が無能すぎるのがストレス。バランスをとってくれ。

#読書感想 #読了 #ネタバレ #海外小説 #SF #長谷敏司

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?