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『悪なき殺人』コラン・ニエル(著)田中裕子(訳)

吹雪の夜、フランスの山間の町でエヴリーヌという女性が殺害された。事件に関係していたのは、人嫌いの農夫ジョゼフ、彼と不倫関係にあったアリス、そしてネット上で知った女に恋い焦がれるアリスの夫ミシェル、デザイナー志望の若い娘マリベという、それぞれに秘密を抱えた4人の男女。各人の視点から描かれる報われない愛への執着の物語は、遠く西アフリカに住む詐欺師の青年の物語と結びつき、不可解な殺人事件の真相を明らかにしていく――。映画化作品が東京国際映画祭で高評を得た、圧巻のフランス産最先端サスペンス。

フランス小説らしいなかなかのページタナー。新展開につぐ新展開でなかなか読ませる。しかし、表紙からシリアスな話を想像してただけに、阿呆な展開とオチに唖然ですよ。これは大真面目なのか、恋愛体質フランス人を揶揄するギャグなのか判別できないよ。

お話は、冬のフランス山奥で、一人の女性が行方不明になり、捜索隊が何週間も探すが一向に見つからず…というもの。5人それぞれ個別のドラマから、1つの真実が浮き上がるという構成。

1人目はソーシャルワーカー。ほぼ不倫のお話で読むのをやめようかと思ったが、2人目の羊飼いがサイコパスでぐっと引き込まれる(笑)
さらに3人目がビッチでメンヘラ、4人目が詐欺師と、どんどん笑わせてくる。描写がけっこうチープな上、一人称での語り口がチャラいのにリズムが良くて、もう真面目に読めない(笑) 良い訳者の無駄遣いだわ(笑)

ラストは1人目の夫。すでに謎はすべて解けてるので、エピローグなのだが、これが酷い。まさに不毛。読者としては、最後になにか少しでも得るものがあってほしかったわ。

結局全部、一人寝に耐えられないという話で、Theフランスという感じ。
雪山、田舎、農業、何も関係なし(笑)

#読書感想 #読了 #ネタバレ #海外小説 #サスペンス

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