『悪なき殺人』コラン・ニエル(著)田中裕子(訳)
フランス小説らしいなかなかのページタナー。新展開につぐ新展開でなかなか読ませる。しかし、表紙からシリアスな話を想像してただけに、阿呆な展開とオチに唖然ですよ。これは大真面目なのか、恋愛体質フランス人を揶揄するギャグなのか判別できないよ。
お話は、冬のフランス山奥で、一人の女性が行方不明になり、捜索隊が何週間も探すが一向に見つからず…というもの。5人それぞれ個別のドラマから、1つの真実が浮き上がるという構成。
1人目はソーシャルワーカー。ほぼ不倫のお話で読むのをやめようかと思ったが、2人目の羊飼いがサイコパスでぐっと引き込まれる(笑)
さらに3人目がビッチでメンヘラ、4人目が詐欺師と、どんどん笑わせてくる。描写がけっこうチープな上、一人称での語り口がチャラいのにリズムが良くて、もう真面目に読めない(笑) 良い訳者の無駄遣いだわ(笑)
ラストは1人目の夫。すでに謎はすべて解けてるので、エピローグなのだが、これが酷い。まさに不毛。読者としては、最後になにか少しでも得るものがあってほしかったわ。
結局全部、一人寝に耐えられないという話で、Theフランスという感じ。
雪山、田舎、農業、何も関係なし(笑)
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