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『火狩りの王〈三〉 牙ノ火』日向理恵子(著)

ついに首都の結界が破られた。天然の火を携えて、首都へ侵入する〈蜘蛛〉。人々に恐怖が訪れる中、煌四は自ら開発した打ち上げ機が〈蜘蛛〉を殺戮するさまを目の当たりにする。
燃え上がる地上に降り立つ、白く光る少女〈揺るる火〉のまなざし。「…もう十分に死んでしまったのに。まだ殺し合いをする」。
水に棲み、なまぐさい息を吐く、人ではなくなったものたち。そして姫神の”依巫”として、神族に連れ去られた綺羅の運命はーー? 怒涛のシリーズ第三弾。

揺るる火があっさり登場して吃驚。機械ではなく神族だった。悲しみに満ちた心情も明かされる。

さらには、揺るる火だけでなく、油百七や蜘蛛、他の神族たちの内情も明らかになる。この巻、全体的に心情吐露しまくりの巻だね。皆が皆悲しみを、怨嗟をぶちまける。半ば狂った全然希望が持てない世界で泣ける。山田章博が描くと、この悲しい世界と必死に生きる人が美しいのが救いか。

前巻では綺羅が母親に麻芙蓉つっこまれて昏睡、緋名子は神族に改造され、どうなっちゃうの、という感じだったが、この巻では普通に登場してやや拍子抜け。綺羅は揺るる火の憑坐として攫われちゃったけど。蜘蛛襲撃や雷火兵器もあっさりだし、ちょっと残念。ジュブナイルだから仕方がないのか?

しかし今度は灯子が体調を崩してドキドキ。怪我してないのは煌四くらいの満身創痍パーティで姫神のもとを目指すも、首都外の森に転移される。人に火の耐性を与える虫を捉えるために必要だとはわかるけど、ダウンテンポに感じてしまう。ドキドキハラハラでクライマックスに突入して欲しかったな。

はたしてどう畳むのか。希望があるのか。
姫神はどうなっているのか? 揺るる火の火を取り出してどうなるというのか? 揺るる火の選択は? 次巻が楽しみだが怖いなぁ。

#読書感想 #読了 #ネタバレ #SF #ジュブナイル #日向理恵子

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