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『天冥の標 IX ヒトであるヒトとないヒトと』小川一水(著)

カドム、イサリらは、ラゴスの記憶を取り戻すべく、セレスの地表に横たわるというシェパード号をめざしていた。それは、メニー・メニー・シープ世界成立の歴史をたどる旅でもあった。しかし、かつてのセレス・シティの廃墟に到達した彼らを、倫理兵器たる人型機械の群れが襲う。いっぽう、新民主政府大統領のエランカは、スキットルら“恋人たち”の協力も得て、“救世群”への反転攻勢に転ずるが―

ラスト1歩手前、盛り上がってきた。情報は出揃ってきたものの、規模がどんどん大きくなり、解決への道筋が見えない。ノルルスカイン VS オムニフロラ が最終問題かと思いきや、カンミアの母星、その他色々が戦争中ときて混沌そのもの。とりあえず人間たちは、直接的な危機であるミヒル達ミスチフを撃退すべく立ち上がるも…。と超良いところで終わってしまう。ここに来て風呂敷を広げるところに感動してしまった。

パート1

咀嚼者たちの目的がわかって成程と思ってたら、すでに未知の敵と開戦してるというスピード展開にびっくり。電力不足も納得。咀嚼者たちは人間にかかずらってる暇なんてないのでは? と思うものの、しかし殴らずにはおれぬのか。そしてカドムとアクリラまでくっついて驚かせてくる。しかしこれは死亡ブラグなのでは、とドキドキ。

しかし、メニーメニーシープは別の恒星系ではなく、じつはセレスで、太陽系のままですよ、と思わせておいて、実は遥か彼方へ300年間飛び続けており、カンミアの母星まで来てましたという展開が熱い。宇宙がきな臭くて忘れられているが、なにげに太陽系を脱出しているので、人類としてもっと感慨をもってほしい(笑) 特に海の一統なんかは悲願だったはずだし。

パート2

メニーメニーシープの選挙とかどうでも良いよと思っていたら、あれよあれよと言う間に咀嚼者たちの拠点へ攻め込むことに。カンミア達が便利すぎるて、イサリのクーデターが一瞬で成功したのにはちょっと拍子抜け。しかしミヒルたちは取り逃がしてるので、最終巻で対決するのだろう。ドロテア・ワットで一波乱ある予感。

そしてついに登場人物たちが情報を共有。地球艦隊、咀嚼者、メニーメニーシープ、3つに別れた人類が同じテーブルにつくところは感動的。

ミヒルを倒したとしても、カンミアの母星とその他エイリアン達の戦争はどう乗り切るのか、実に楽しみ。

#読書感想 #読了 #ネタバレ #SF #小川一水

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