夜中に読んではいけない飯テロ本『海と山のオムレツ』カルミネ・アバーテ（著）関口英子（訳）

生唾なしには読めない! 美味しい食を分かち合うことの歓び。食べることはその土地と生きてゆくこと。舌を燃やし、思い出を焼きつくすほど辛い唐辛子、庶民のキャビアと呼ばれるサルデッラに腸詰サラミのンドゥイヤ……。南イタリア、カラブリア州出身の作家が、アルバレシュという特殊な言語と食文化を守ってきた郷土の絶品料理と、人生の節目における家族の記憶とを綴る自伝的短篇集。

寝る前に読んでしまい腹の音が止まらない。第1話『海と山のオムレツ』がいきなり最高で、具だくさんのオムレツを挟んだパンが美味しそうなだけでなく、それを朝食として夏の海岸で食べる、というロケーションも最高すぎる。これぞ飯テロ。

そして残酷なのは、私は起きたらこのボロマンションでトーストとインスタントコーヒーという朝食をとらないといけない、という現実と否が応でも比較してしまう、という事。超つらいので翌日は外食した。しかし次の夏はサンドイッチとカフェラテを作って海辺で食べてみよう。

海と山のオムレツ (新潮クレスト・ブックス)

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