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『パーキングエリア』テイラー・アダムス(著)東野さやか(訳)

真冬の夜、女子大生のダービーは、母の容体悪化の知らせを受け、猛吹雪のなか車を飛ばす。そして、休憩のために立ち寄ったパーキングエリアで偶然、一台の車の中に少女が監禁されているのを目撃してしまう。誘拐犯は居合わせた男女4人のうち誰か? 夜明けまでの絶望的な死闘を描くノンストップ・サスペンス。

噂通りのページターナー。ピンチの連続で本を置くタイミングがなく一気読みしてしまった。

吹雪の中、携帯の電波も通じない山中のパーキングエリアが舞台。主人公を含め5人が吹雪から退避しているが、このなかに少女誘拐犯がいる! という設定がスリリング。陸の孤島だが、ミステリではなくサスペンス。犯人探しの駆け引きが始まるかと思いきや、それは速攻で判明して、直接的なバトルになってゆく。かなり序盤で主人公が勝利を収めそうになるのだが、当然そうならない。なにせ序盤、ここからが本番と主人公が追い詰められてゆく。追い詰め追い詰められが驚く程続く。頭脳戦というより、わりと泥臭い戦いだが、最後の最後まで気の抜けない素晴らしい一冊だった。

ただ難もあり、まず地の文が読みにくい。一人称と三人称の間のような、どっちつかずでややストレス。次に演出過剰。叙述トリックといえば聞こえはいいがアンフェアなレベル。その他不合理も多々あり、細かいことが気になる人には向かない。しかし、それらを押し流すだけの勢いは良かった。

本編と関係ない話だが、本文で知名度あると思われるペッツに注釈がある割に、マイルとかポンドとかの単位がそのまま使われるのはもやっとする。まぁ遠いんだろうとか重いんだろうとか予想はつくが、kmとかkgに変換してほしい所。雰囲気関係ないんだし。

#読書感想 #読了 #ネタバレ #海外小説 #サスペンス


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