『人類の知らない言葉』エディ・ロブソン(著)茂木健(訳)
主人公が粗野だしクスリもやるし暴力的だしで、かなりイマイチな出だしだが、異星人フィッツが殺されてからは、意外な展開ラッシュでかなり楽しめた。SFファンだとたどり着けない真相がお見事。
お話は、異星人とテレパシーで通訳する主人公が、自分の容疑を晴らすため、ボスの残留思念といっしょに捜査する、という超展開。
かすかな違和感を頼りに、聞き込みを続け、なんとか怪しい人間にたどり着くも、そこからも超展開で大満足。
正直、ミステリとしては、到底捜査と呼べるものでもないし、SFとしては異星人が出てきて地球がやや荒廃してるだけで、さして新鮮さは皆無。なのに、なかなか読ませる怪作。
ネタバレすると、犯人はアンチ異星人勢力なのだが、SFファン、特に日本のファンはエイリアンを拒絶する、という思想がないので、アンチなんかいるのか! と新鮮な衝撃。
この本、読む本リストに入れた理由も忘れたし、あらすじも読んでなかったので、フィッツが死んだとき心底驚いた。なので、この感想を読んでこの本を手に取った人は、しばらく寝かせて記憶から消えた頃に読もう!(すべての本に言えることだが)
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