記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

『親愛なるクローン』ロイス・マクマスター ビジョルド(著)小木曽絢子(訳)

ある時は辺境惑星の一介の中尉、ある時は極秘任務に就いた傭兵艦隊の提督――二重生活を送るマイルズは、隠密作戦を成功させたが敵に追われ、艦隊を引き連れて地球まで逃げてきた。だが運悪くTV局に正体を悟られ、とっさに「傭兵提督は私の非合法なクローンなんだ!」とでっちあげたまではよかったが……魔手は忍び寄る。痛快活劇第二弾。

ヴォルコシガン・サガ、シリーズ2作目。外伝を入れると3作目。時系列としては、次巻『無限の境界』の直後(ややこしい)。

嘘から出た真系ドタバタ劇で、ヴォルコシガンとネイスミス提督、二足のわらじを履いていたマイルズが咄嗟についた「あいつはクローンだ」という嘘が本当になってしまい、さらに複数のトラブル(マイルズ暗殺計画とか)が絡み合う。その絡まり具合は予想を遥かに超えたもので、クローン問題、バラヤーの歴史、反乱組織、誘拐、懸賞金、暗殺、消えた資金、怪しい上司、プロポーズ、等々、実に濃密! (部隊の金銭問題と黒い毛布はもう少し膨らませてほしかったかな)

なにより素晴らしかったのはクローンの扱い。単純に敵だから殺して終わり、とならない。クローンも普通に市民権を得るベータ植民惑星出身の母ならなんというか? がマイルズの行動指針となる所に胸が暖かくなる。

それにしても、このシリーズ、時系列順に発売されてない上に、英語版と日本語版で発売順も違う。その割に、キャラの再登場が多い。どういう順番で読むのがよいのか?

#読書感想 #読了 #ネタバレ #海外小説 #SF

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?