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『不死身の戦艦 銀河連邦SF傑作選』ジョン・ジョゼフ・アダムズ(編)

フォーマルハウト星系で、人類の派閥間の戦いに身を投じる「ぼく」と相棒のヤロウが遭遇した“女王”とは……(スパイリーと漂流塊の女王)金属の殻に封じ込められ、神経シナプスを宇宙船の維持と管理に従事する各種の機械装置に繋がれたヘルヴァは、優秀なサイボーグ宇宙船だった。〈中央諸世界〉に所属する彼女は銀河を翔けめぐる(還る船)―― 広大無比の銀河に版図を広げた星間国家というコンセプトは、無数の SF 作家の想像力をかき立ててきた。オースン・スコ ット・カード、アン・マキャフリーら、その精華を集めた傑作選がここに登場。

タイトルと表紙で艦隊モノかと勘違いしたが、銀河連邦がメイン。いろんなスペオペの世界観が堪能できる。大体ディストピア(笑)
驚くほどハズレがなかったので、原著から削られたやつが気になるなぁ。

以下特に好きなやつ。

『カルタゴ滅ぶべし』ジュヌヴィエーヴ・ヴァレンタイン 著

宇宙のとあるポイントから発せられた平和的メッセージに胸を打たれた知的生命体たちが、そのポイントへと駆けつけ、発信元のカルタゴ星人を待ち続けるお話。

血統やDNAは残せても、意志をつぐのは困難よね、とため息しか出ない。
しかし、呼んでおいてこないカルタゴ星人、典型的な口だけ野郎だわ(笑)

『戦いのあとで』ロイス・マクマスター・ビジョルド 著

ヴォルコシガン・サガから、宇宙戦争での遺体回収のお話。
あっちを読んでなくても全然OK。

既読だが、なんど読んでも泣ける。アンソロにこれを入れるセンスは流石と言わざるを得ない。
パイロットに感情移入して読むだけに、ラストは自分も救われた気になる。
ヴォルコシガン・サガ、神戸市図書館で歯抜けなので買い揃えてるが、まだ読めてない。読まねば。

『不死身の戦艦』G・R・R・マーティン, ジョージ・ガスリッジ 著

地球に帰還する宇宙船で熱病が流行るお話。

お前はAI枠だろ!

『還る船』アン・マキャフリー 著

歌う船シリーズから、侵略されそうな星を助けようとするお話。

歌う船シリーズ未読だが、こんな世界なんだ! と吃驚。船自体が主人公なのね。
ただ、設定のわりに、お話はケレン味がなくて物足りない感じ。

『愛しきわが仔』メアリー・ローゼンブラム 著

星間通信用の子供と、お世話係の犬人のお話。

ド・ストライク!!
こういう人外人情モノに弱い。続きを、続きを読ませてくれ!

ぐぐると一冊も訳されてないとは!

『文化保存管理者』ジェレミア・トルバート 著

銀河連邦から脱走した学者が、未加入の星でフィールドワークするお話。

学者が身体を改造して現地生命体になりすましているガチ調査が凄い。
それとひきかえ、銀河連邦がひどすぎて笑える。
しかし宇宙に生命が溢れてると、こんな雑な対応になるのかもね。少ないからこそ希少なのだし。

『星間集団意識体の婚活』ジェイムズ・アラン・ガードナー 著

生命体各個人をニューロンとした上位意識が婚活するお話。

われわれの上のレイヤーに別の意識があったら、という発想が凄いのに、レベルが同じで笑った。ラスト一文のおざなりさも素敵。

『ゴルバッシュ、あるいはワイン-血-戦争-挽歌』 キャサリン・M・ヴァレンテ 著

とある惑星で作られたワインが、不純だと差別されるお話。

それはワインなのか? マルボーズの言う通りなのでは? と納得しかないよ。実際、普通に侵略しちゃってるし(笑)
でも宇宙がるつぼのように、生命体が混ざってゆくのは面白いね。そういう長編読みたい。

#読書感想 #読了 #ネタバレ #海外小説 #SF

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