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『バロルの晩餐会 ハロウィンと五つの謎々』天野喜孝(絵)夢枕獏(作)
ハロウィンの夜、タックとチーマはお父さんの部屋にある「秘密箱」を見つけた。中に入っていたのは一本の古い剣と白い三角形をしたとがったもの。
剣をもったタックは、その剣先をうっかり机の上の水晶のどくろにぶつけてしまう。
「カチン」と音がした瞬間、チーマが持っていた白いものがみどり色の炎をあげて燃えはじめる。
すると外から子供の天使がやってきて、テーブルの上にもっていた白い丸いものを置いた。
そのたまごのようなものに、みるみるひびが入ってゆく。すっかり割れたその中から出てきたのは、猫のような竜。猫竜のこどもだった。
見た目はかわいい猫竜は千年に一度生まれる白いドラゴンのこども。
生まれた時に、バロルの持っている青い金剛石を食べさせないと、黒いドラゴンになって世界を滅ぼしてしまう。
そこでタックとチーマは、青い金剛石を探しに冒険に出かけることにした――。
絵本なのだが、絵が天野喜孝で、さらにお話は夢枕獏というえぐいタッグ。お話は子供向けなのだが、絵と一部なぞなぞは子供向けじゃないような。
天野喜孝の絵は、鉛筆のラフ画ばかりなので、画集のような完成度はないのだけど、鉛筆の黒がホラーで良い上に、ラフでこれか…という恐ろしさが気持ち良い。ハロウィンの夜のお話に実にあってる。
あと、ボリュームが凄い。こんなに何十枚もあると思ってなかったので嬉しい限り。
夢枕獏のお話は割とオーソドックス。青い金剛石を探す旅なのだが、RPGよろしくたらい回しにされ、なぞなぞをときながら進んでゆく。絵本とはいえ、もうちょい夢枕獏カラーがほしかったかな。
しかし天野喜孝が目当てだったので満足の一冊。
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